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2023年12月6日水曜日

山田太一さん旅立つ

 

  脳裏に刻まれたドラマが次々に蘇り、

山田太一さんがお亡くなりになったことが信じられない。

『ふぞろいの林檎たち』を思い出して、自分の中で作品の順位をつけようかと思った。

けれど、どれもこれもが味わい深く順位がつけられない。

「順位って何なんだよ。そんなもの必要か、要らないことだってあるさ。あっちゃいけないことだってあるんだよ。」とドラマの登場人物の誰かが語るように、震えるように言い出しそうだ。ガードマンを演じた若かりし日の水谷豊さんが、ラーメン屋の倅役実の柳沢慎吾さんが、元カメラマンで死が迫る役を演じた山崎努さんが。

『想い出づくり。』も良かった。24歳の3人の女性が恋愛を軸に、自らと葛藤して、ダメだと分かりながら変えられない自分に唇を噛むような姿が悩ましくも美しく描かれていた。セリフの中に「ケルケゴール」が出てきたのも忘れられない。田中裕子さんのお見合い相手がキルケゴールの言葉を語った後、ケルケゴールはこうも言っていると続けようとした時、田中裕子さんが「け、ケルケゴールって人がまたなんか言ったんですか?」と言うのだ。
古手川祐子さんが小田急ロマンスカーの客室乗務員役だったけれど、山田さんが、疎開先の足柄下郡で暮らし続け小田急線が日常だったからか。
 
『男たちの旅路』は、子供ながらに毎回夢中で特攻隊生き残りのガードマン鶴田浩二さんと新米ガードマン水谷豊さんのさとし、さとされたくない若者の葛藤を楽しんだ。

『早春スケッチブック』は相鉄沿線の県立高校に通う男子高校生の一見すると平凡は一家が、過去に引きずられていく。岩下志麻さんの大ファンだけれど、鶴見辰吾さんの妹役だった二階堂千寿さんの演技が抜群に光っていた。

『岸辺のアルバム』も忘れ難いけれど、『高原にいらっしゃい』も良かった。

『高原にいらっしゃい』のオープニングソングを今でも歌詞を見ずに歌える。
『ふぞろいの林檎たち』のオープニングがサザンのいとしのエリー、『岸辺のアルバム』のジャニス・イアンのWill You Dance?はあまりにも有名ですが、『高原にいらっしゃい』と『想い出づくり。』『早春スケッチブック』のオープニング曲、テーマ曲のYouTubeをご案内します。
山田太一ドラマに夢中になった方は是非お聴きください。
 
『高原にいらっしゃい』のオープニングソングは
歌詞一部抜粋
ゆうべ見た夢の中で ぼくは石になっていた 見知らぬ町で人に踏まれ 声をかぎりに叫んでた 夜のこころの暗やみから 夢はわいてくる さめても夢はきえやしない けれどお早うの朝はくる 

『想い出づくり。』ザンフィル ←こちらをクリック
パンフルートによる演奏
 
小室等さんの、山田太一ドラマのコメント付き
 
 
寂しいなあ。
青春時代をくれた人だった。
ご冥福を心よりお祈り致します。 



2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

山田太一さんは、たまらなく好きでした。私の世代で知らない人はいないよね。
作品全てが、私の人生に影響を与えてくれました。
合掌

あんこちゃん さんのコメント...

匿名さんコメント有難うございます。
作品の全てが、人生に影響を与えてくれたと言うのは、
大袈裟ではなく、本当にそうだと私自身も思います。
誠実さも尊ばれた時代でしたね。