付いてくるおうどんを断って、
すっかり少食女 に成り切っている私だ。
家族亭で、カキフライの玉子とじ丼を食べた。
実は、食べたかったのは国産鰻のうな重だった。
印旛沼のうな重の画像が、頭から離れなくなっている。
住まいの近くに、鰻専門のお店がないわけではないけれど、
一軒は、ご飯が不味いし、もう一軒は、お店に入ると「いらっしゃい」ではなく、まずは、睨まれるのだ。
結局、お蕎麦のチェーン店の家族亭で、時々国産鰻のうな重を食べている。
ところが、昨夜は、国産鰻がメニューになかった。
聞けば、もう在庫切れなのだと言う。
既にテーブルにお茶が置かれていた。
気弱な性分で、お店を出るに出られなくなった。
牡蠣は、就眠前の明け方近くに、牡蠣のシチューもどきを作って、食べたばかりだった。
誰かに背中を叩かれたら、ぽん!と口から牡蠣が飛び出してきそうだった。
でも、カキフライの玉子とじ丼が、家族亭の冬の定番メニューで、美味しいことはわかっていたので後悔はないだろうと思ったのだ。
注文後に、隣の女の咳に気がついた。
顔の位置より低い、格子の衝立の向こうから、ツバキが飛んできそうだった。
卵と出汁の染み込んだご飯やほっくりした牡蠣を口にせっせと運び続けて、私はマスクをした。
隣の女は、咳をしながらも、何かを追加注文した。
格子の隙間から、じっと覗きこむと、天ぷらに、小鉢に、お蕎麦に、サラダに、ご飯の器が空になっていた。
女は、空いたお茶碗を指さして、「同じの頂戴」と言った。
お店のスタッフが、一瞬止まった。
そして「明太子ご飯ですか?」と尋ねて、「そう」と女が返事をした。
格子の衝立から出ている顔は、いい年だ。
咳をしながら、明太子ご飯をガツガツ食べる女。
弾けそうな、若い女なら、可愛い景色かもしれない。
ボブカットの染められた髪が、うす茶色に光って、耳から、白い貝のピアスが垂れていた。
熟女と言えば、ちょっとばかり聞こえがいいけれど。
おばさんだ。
それだけ食えば、風邪は治るだろうよと、私は冷ややかに思った。
今日の東京は、最高気温14度、最低気温7度、曇り時々晴れの予報です。
鰻の蒲焼き三段重ね、
ご飯と蒲焼きのミルフィーユのような、うな重食べたい!
私は、弾ける28歳独身OL。
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