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2017年11月24日金曜日

無口という病気15



 良人は、もともと無口という病気です。
その上、およそ2年前から会社イヤイヤ病まで始まってしまいました。
このところは、ずっと会社を休んでいます。
ところが、勤労感謝の日の昨日は、出社しました。
祝日は会社に行くのです。
2時間近くかかる通勤時間で、電車が空いているというのは、
出社への大きなモチベーションになるのでしょう。
  良人は、無口という病気なので、電話に出ることもありませんし、インターホンに出ることもありません。
なのでかつて、私が故郷で、腎臓が壊れて、水を身体に蓄えたことで、顔は宇宙人のように大きく膨らみ、脚は像のように太くなって、うまく起き上がれない時に、健康保険証を持ってきて欲しいと電話をしても、電話に出ないので大変な思いをしました。
 何せ靴が入らないので、私より足の大きい母の革のひも靴を履いて、バスや電車に乗って2時間近くかけて自宅に戻りました。しかし、私は、自宅に到着するなり、呼吸も苦しく動けなくなりました。
そのように電話に出ない良人は、2日前の私の通院日も会社を休んで、陽の当たる部屋に篭っていました。
夜の7時に私が病院から戻ると、珍しく良人が喋りました。
ママから夕方に電話があって、ママが驚いていたと言うのです。
 電話には絶対に出ない良人が、その日に限ってどうして電話に出たのでしょう。私からの、業務連絡だと思って、出ないと怒られると思ったのでしょうか。
義母は、良人が会社を休んでいることを知りません。
「牛男ちゃん、牛男ちゃんどうしたの?どうしているの?具合でも悪いの?」と義母は言ったでしょうか。
私は、会社はずっと休んでいると、言ったのかと執拗に良人尋ね続けました。
すると良人は、小さい眼で私をキッと睨んで、
「今日は早く帰って来たんだ。」と言ったと言うのです。
義母は勘が良いので、気がついたかもしれません。
私は、「ばればれだ!」 と言って、
即興で、ばればれ音頭を踊って狭い家の中を歌って踊りました。


良人は、就眠前に再びポツリと言いました。
「貴女の口を縫い付けてしまいたい。」と。
その言葉が恐ろしくて、私はコタツでうたた寝をする時もマスクをかけることにしました。
下戸な良人の勤労日のご褒美は、あけぼのの栗姫最中です。
今日の東京の最高気温は14度、最低気温は5度、晴れの予報です。
皆様におかれましては、プレミアムな金曜日になりますように。
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