日本の財界人、企業リーダーにリベラルな考えを持ち政府批判も厭わない人がいたのか。
驚きを持って話に吸い込まれていったのが、4月23日アークタイムス配信の「出る杭」を打つ日本 裏金の自民政治、小池氏の公約ゼロの愚と題してグーグル日本法人元社長の辻野晃一郎さんの語りでした。
この黄金週間におうちでお疲れ休みをとる方は、是非ともご視聴ください。
アークタイムズ
クラウド・AI 遅れる企業
小池百合子氏の学歴問題、岸田氏の対米隷属
「出る杭」を打つ日本 裏金の自民政治、小池氏の公約ゼロの愚 ←こちらをクリック
【辻野晃一郎さん 尾形聡彦さん 望月衣塑子さん】
◆裏金事件について
第2次安倍政権ぐらいから目に見えて日本の政治がおかしくなってきて、菅政権、岸田政権と悪い方に転がり落ちてきている感じ。裏金については自民党の政治もここまで腐敗しているのかと。根腐れしている。
自民党がこの問題を本当に解明しようとする熱意が全く感じられない。うまく有耶無耶にしようという感じ。
検察と国税がごく普通に仕事をして政治資金規制法に違反している人や脱税している人を摘発すれば終わりの話(だったのに)。なぜか検察は途中で終わり、国税は動かなかった。
検察とメディアの癒着。検察がメディアコントロールしている。
本来検事総長が記者会見の場に出てきて今回何故こういうことになったのか説明すべき。
◆権力の捏造
大川原化工機事件。起訴を取り下げながら謝罪もなし。
りんごのタイ輸出の会社が、でっち上げられている事件。
企業相手の捏造事件が増えている。手柄を上げなければならないから?不気味だ。伊藤詩織さん事件にしても、揉み消した刑事部長だった中村格さんが出世している。そこらじゅうが腐敗している感じ。
◆国の形が大きく変わって行く中でそれが国民に知らされないまま。第2次安倍政権の安保法制から、閣議でどんどん決められ暴走している。
元は政治に関心がなかった。元々経済の方の人間だし、元々はエンジニアだったわけで。一国民として見ていて、日本の政治にそこはかとない恐怖感といか、危機意識が高まってきたのが2014、5年から。
◆ 経済人の立場で与党政権を批判するのは、良いことがないがダメなものはダメと言わないと。
昔の経済人はきちんと言っていた。ソニーの盛田さんも、Noと言える日本と。言うべきことは言わなけらばいけないと。
盛田さんが経団連の会長になっていれば、日本の状況も違うかもしれない。ソニーの井深さんは、経団連を嫌っていた。談合の場だと。赤信号みんなで渡れば怖くないと言う話であって横並びでやるみたいなのを井深さんは良しとしていなかった。
◆今は利権政治だから手を替え品を替え、政治資金規正法を変えても体質は続く。企業献金を認めるなら透明化すればいい。それを拒む。
◆中山素平さん、土光敏夫さんの時代からどうして変わってしまったのか?
立石泰則さん(ノンフィクションライター)の岩波新書の『戦争体験と経営者』には本当に戦争を体験した経営者の気骨、例えば中内功さん、戦場戦地で弾が飛ぶ中を経験している人は内地に戻ってから徹底して平和主義者、絶対戦争反対。戦後もソ連に対して、軍備が必要だという人たちが出てきて日向方斉さんは再軍備の必要性を熱弁したが、中内功が猛反対したことが書いてある。
ワコールの塚本さんも、平和に対する強烈な信念があった。戦争は絶対にダメなんだそこに議論の余地なしと。
◆田中角栄がこの国は戦争体験者がいるうちはいいが、いなくなったらまずいぞ、と予言したとおりに今なっている。
政治も経済もみんな戦争を知らない子供達が中枢になっているわけだから。
今まさにアメリカべったりで、また普通の戦争ができる国に、今どんどんそっちの方向に突っ走っている。80年かけて作ってきた日本の平和ブランドがこの数年で一気に崩れ去って、イギリスとイタリアと共同開発で戦闘機を輸出することを、ちゃんと国民と対話なしに閣議決定だけで突っ走った。
◆とんでもない方向に方向転換しているが、多くの国民が気づいてないかもしれない。軍事同盟であるNATOにどうしてすり寄るのか、これも非常に危険。
◆今回の岸田首相の訪米で、岸田首相は安倍さんにもできなかったことをやっている高揚感のために行った気がする。
◆原発について
東日本大震災は天からの警告だった。ここでエネルギー政策を大転換すべきだった。水面下で原発再稼働を画策し続けて。今回能登で2回目の警告。それでも何も変わらない。
◆小池百合子氏の7つのゼロ(原発ゼロ、隠蔽ゼロ、企業団体献金ゼロ、待機児童ゼロ、受動喫煙ゼロ、満員電車ゼロ、ペット殺処分ゼロ)が、何一つ達成できていない。(ペット殺処分については見方があるかもしれないが)加えて学歴詐称について
日本は国家の中枢に犯罪者集団が居座っている。東京都という日本の首都には嘘で塗り固めてきた人みたいな人がいる。こういうことに対して、東京都であれば都民、国であれば日本の国の人たちがどう思っているのか。
本当に怒っている人と、あまり何にも感じていない人と、どれぐらいの比率でいるのだろう?
本来あってはならないこと、悍ましい光景なわけ、全てが。
だけど、その悍ましさに対してあんまり本気でみんな怒らない。もの言わないし、私みたいに言っても得にならないし。物言えば唇寒し。
◆しかし、不作為の罪は大きい。何もしない間に国がどんどんおかしくなっていく。昔は政治は三流だけれど経済は一流と言われた。今は、経済力も衰退して円安も止まらない。国民一人一人が動き出さないと。
◆東芝の不正会計事件、財務省の公文書改竄事件は同根だ。ピラミッド型の組織に起きるもの。デジタルの時代、インターネットの時代は個が解放された時代で、個人が優先。
ピラミッド型の組織は個人は一番底辺 で、受け身でトップダウンで命令に逆らえない。正しいことでなくても上からの命令に逆らえない。逆らえば飛ばされる。そういう時代はとっくに終わっている。グーグルは真逆で、フラットで敢えて言えば逆ピラミッド。個人が前面にいて、やりたいことを決めるし、意思決定者で組織が下からサポートするみたいな。
◆ソニー盛田語録から
他人と同じ考え、同じ行動をしてはいけない
ソニーに入ったことを後悔するようなことがあったら辞めたまえ。人生は一度しかないんだ。
黙っていた方が安全だという雰囲気は、非常に危険だ。
など。
◆企業に必要なこと
良き組織文化を作りそれを定着・維持・発展させること
財務省、悪しき組織文化を作って維持発展させている。
内閣人事局も非常に問題。今の日本にとってシンプルな原点に戻ることが大事。 大事な原点を今の日本は完全に忘れ去っている。
◆今の日本にいい経営者もいるが、全体的に見ると今だけ金だけ自分だけ、新自由主義で暴走して歪んだ社会になっている気がする。
◆政治家は弱者に寄り添うことが一番大事だと思うのだけれど、今は逆。自民党の政調会長(幹事長も)は利権の配分役。
◆親に教えられたのは、『井戸塀政治家』国家国民のために資材を投げ打って最後は井戸と塀しか残らなくなるという。政治家の理想像、政治家はかくあるべき。
今は公益のために政治家になるのではなく私利私欲のために政治家になる。
◆昔はそういう清貧の政治家もいたのに何故いなくなたのか?
日本の恥の文化、崇高さが薄らいでいる。今、小島敏郎さんがそうなのでは?小池さんの側近がああ言うアクションをとり始めたと言うのは、蟻の一穴かもしれないけれど、世の中を浄化していく上で大事なことでは。
◆権力は嘘をつきます。メディアは権力に制御されています。メディアも嘘をつきます。ネットもデマもディスインフォメーションあるけれど、真実を掘り当てたり探し当てたりすることも簡単な時代でもある。
◆メディアが機能していないと言うのは大問題。報道の自由度のランクはどんどん下がっている。
◆日本はAIには遅れているが力を入れて取り戻すべき。
◆自動車もsdvの方向にある中で、残念ながら日本は2周も3周も遅れてしまっている。中国が相当進んできているから、日本の最後の砦の自動車産業もビハインドになるのではないか。
◆ウクライナ支援についての視聴者からの質問
「ウクライナの世銀からの借入について、日本が保証人となりウクライナが履行できない場合は、50億ドルまで日本が債務を肩代わりすることを岸田首相は約束していることをどう思うか?日本がATMになっている。」
日本が対米追従一辺倒で、本来はプーチンがウクライナに攻め込んだ時、間に立つべきだった。日本での報道は欧米の論調になる。用意周到に米国のネオコンや戦争屋、NATO、イギリスの戦争屋がプーチンを戦争に追い込んで行ったと言う面がある。そもそもウクライナは腐敗国家でいろいろな悪事が行われ、クリミヤではロシアがやり過ぎた部分はあるかもしれないが、プーチンが悪人、ゼレンスキーが英雄か?米国のシーモア・ハーシュがスクープしているがゼレンスキーはアメリカからの支援を着服して個人資産を増やし、オランダの機関が個人資産の開示を求めているがゼレンスキーは応じていない。
日本はアメリカとの同盟関係は重要だけれど、中国とも話ができるロシアとも話ができる。地政学的にもそう言うポジションにいて、どちら側にもつかない方がいい。支援も人道支援に限る方が良い。アメリカのNATOの代理戦争なわけで、これはやってはいけないこと。日本は、本来仲介役でそのための外交力がなければいけない。
国内の金がどんどん海外に流れているのは非常に大きな問題。昔の経済が成長している時代と違うのだから。昔の経済大国の意識で海外にどんどん金を出しているのも一度見直さなければいけない。
◆貿易収支も赤字、円安の中で、日本はまず何をやるべきか?視聴者からの質問
特効薬はないが、一度アベノミクスの検証をするべき。ここまでの円安は日本の経済が明らかに弱体化しているのだから3本の矢の成長戦略が抜け落ちたまま来ている。もう一度テクノロジー立国のシナリオをしっかり書く、観光立国と言うのは後進国化している。グランドデザインを作り直さないと。
◆心配なのは食料自給率。国民を飢えさせないと言うのは政府の最も重要な仕事。
◆雇用の流動性はいいが、新自由主義の流れの中で正規雇用者が減っていくのは良くない。雇用制度を根底から見直す必要がある。ジョブ型は世界の流れで悪いことではないが、日本の仕事のやり方はジョブディスクリプションを広げることで全体の組織がうまく回ることもあるので、日本人は何でも欧米型に合わせようとするが日本で競争力のあるやり方は壊さないようにやっていくべき。ソニーはバター臭いイメージがあるが、非常に日本的なところも強かった。
東京新聞 |
◆マイナ保険証など日本のデジタル化
デジタル庁の創設からボタンの掛け違い。
なんのためのデジタル化かわからないまま、それが共有されていないまま走り始めている。デジタル化は間違えたら修正して進んで行くことの繰り返しを延々とやっていくのが良い。今の日本は一回決めたら止めない、曲げない。見直しもしない軌道修正もしない。真に必要なデジタル化とは違う。
もう一度ご案内です。
グーグル日本法人元社長の辻野晃一郎さん がゲストのアークタイムズ
非常に聞き応えがあるYouTube動画です。黄金週間に是非ともご視聴、拡散もお願いします。
「出る杭」を打つ日本 裏金の自民政治、小池氏の公約ゼロの愚 ←こちらをクリック
経団連の十倉会長は「自民党への政治献金は社会貢献だ」と言って憚らず、つい昨日は日本製鉄三村社長が、災害対応のために緊急事態条項を憲法に入れよと岸田首相に提言書を提出したという。その真意は災害ではなく、戦争をするためであるのはあまりにも明らか。日本製鉄が米国の機嫌を取りたくもあろう。KADOKAWAの夏野剛社長は、羽田の飛行機の航路が変わりその下の住民が反対していることに対して、航路を開く時B29爆撃機で絨毯爆撃した方がいい。全部殺せとYouTubeで語っている。
これが今の日本の財界人かと思うと、寒々しい思いと共に日本の行く末がますます暗いものに思える。
そんな中で、辻野さんの話に、こういう経済人もいるのかとほっとする思いがしました。
辻野さんは、盛田氏の言葉に「ねあかであれ」と言うのがあると紹介くださいました。
今の日本で、「ねあか 」でいることは難しいですが、心がけてまいりましょう。
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