きらめくイルミネーション、
そびえ立つビル群、
溢れる人々、
時折、救急車のサイレンやパトカーのサイレンが、
悲鳴のように響く
そんな都会とは一変
故郷に帰った。
故郷の夜は、真っ暗だ。
いつからか街灯も点灯しなくなっている。
歩く人もいなければ、
タクシーなど走っていない。
先月の初めに1人で帰郷して、やれ帰る段になって、タクシーを呼ぼうにも断られてしまった。
「そちらの方には、車がありません。」と。
慌てていつものチェッカー無線に電話をすると、
チェッカーは都内だけだと言われた。
寒くて真っ暗な夜道をハイヒールでどこまでも歩いた。
心は焦るけれど、足が進まない。
ようやくたどり着いたコンビニに逃げ込むように入った。
そんな廃れた街のコンビニに、来日していたイバンカ補佐官より美しいお姉さんがいた。
170センチ近い長身で、スレンダーな小顔、高い鼻に、切れ長の目、日本人離れした顔だった。
アルバイトだというお姉さんは、おまけに親切で優しかった。
事情を話すと、その美女が、「寒いので中で待ってください。」と言ってくれて、 不在のコンビニオーナーに連絡をして相談してくれたのだ。
心が一気に和んで、涙が出そうだった。
そして、なんとかタクシーを手配してくれた。
タクシーに乗り込んだのは、23時20分、タクシーを最初に呼ぼうとしてから既に一時間近く経っていた。
終電での帰宅となり、
酷く疲労した。
この度は、介護事業者に運んでもらって、同行してもらった。
スタッフの方は、昼間の、デイサービスで疲れているのに、夜しか出かけることができない事情を理解してもらって、かれこれ8年もお世話になっている。
東京生まれの東京育ちのスタッフは、街灯のない真っ暗な街に驚いていた。
街灯すら点灯しない地域にも、二軒ばかりイルミネーションを点けている家があった。
それが少々、ほっこりとした気持ちにさせてくれた。
夜の暗闇は、こなさなければならない用事がままならず、 スタッフさんに随分ご尽力いただいたけれど、東京に戻ると23時を回ってしまった。
過重労働が問題になっている昨今、介護事業者の責任者から、私は厳重注意を受けるだろうな。
厳重注意で済めば良いけれどと案じてもいる。
少々眠って、
3時にフェミレスで初めてノンアルコールビールを飲んだ。
意外にも美味しかった。
都会の3時は、人が行き交い、産廃トラックが次から次にやってくる。
スーパーマーケットには、荷出しに追われるスタッフがたくさんいて、お客もそこそこいる。
そんな光景は、人を寂しくはしないものだ。
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