目覚めると、
枕元に良人が立っていた。
「中華」
良人は、鸚鵡(おうむ)のようにポツリと言葉を発した。
無口という病気の良人は、たまに喋ると、単語だけを唐突に言うことが多い。
時は、三十日の夕刻5時17分だった。
ぼんやりとした頭で、
えっ!と思った。
朝には、パルシステムのおせちがてんこ盛り届いていた。
昨夜は、インド料理屋で良人の慰労会を開催したわけだし。
だいたい、私自身がまだ沢山は食べられないのだ。
「特に食べたいものはないし。まだ食べられないし。」と私は言った。
すると良人は「見てればいい。」とまた一言だ。
私は考えた。
私の難病、奇病のせいで、温泉に行けるわけじゃなし、
お酒が飲めるわけじゃなし、
道楽は食うことだけなのだから今日は忘年会ということで良しとするかと。
それに、一昨日も良人は出勤したのだ。
しかし、今年は、世の中「人手不足から労働環境を改善するべく、休みましょう。」というムードだ。
コンビニもファミレスも年末年始は休みにするところもあるぐらいだから、目的の中華、銀座アスターが果たして営業しているかどうか。
電話で確認すると、昨夜までは普段と同じ営業時間だった。
ちなみにカフェでは一昨夜から閉じているお店もある。
豆腐の蟹味噌ピカタ |
店内には、それなりに客がいて、
職場の愚痴が止まらない、
オヤジ2人が向かい合っていた。
「部下のケツがふけない奴は、上司たる資格なしだ!」
「そうだ、そのトーリ!」
オヤジは、それができると言うことか。
ご立派だ。
見るだけのつもりが、
私も、それなりに食べて、大満足!
良人は、「今日はデザートも食べる」と言って、
タピオカのココナツミルクを食べた。
我もと、ほんのり甘い小豆とタピオカがココナツミルクの湖に沈んだものをゆっくり食しました。
お店の美人主任に、お正月の過ごし方を尋ねたら、
営業する店舗のお手伝いだと言うことだった。
まあ、後日、別の日に休暇がもらえればいいわけだ。
こちらのビルもワンフロアが一昨夜も明るかった。
海外事業部だなと勝手に想像している。
年末年始、コンビニもフェミレスもお休みとなると、
行く先を失うドラキュラだ。
西友は、年末年始も24時間営業だと言うのでほっとした。
今日は、ジョナサンに確認してみよう。
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