「今年もお世話になりました。」と言うとカウンターで向かい合うスタッフのなでしこちゃんが、「来年もよろしくお願いします。」と笑顔で答えてくれた。
昨夜が私のマック納めとなった。
大晦日の今日は土曜日で、19時閉店の店舗だからおそらく私は寝坊して行けないだろう。
長くて30分、短ければ5分程度のマック通いでいろいろとあった1年だった。
まずこの春は、私がトラブルを起こして、どうなることかと思ったけれど、やはりマックの常連の秋田と言う人が仲介役を買って出てくれた。このご時世にそんな親切な人がいるもんかねと、友人たちは、秋田さんも訝しがった。私自身も不信に思った。けれど、秋田さんの尽力もあり、相手方も良識のある人で、事態は大問題にならずに解決した。
マック常連の秋田さんは70歳そこそこに見えたけれど、聞けば80歳になるというから驚いた。若く見える秋田さんも7月に膝の手術をすると言ってから、その姿を見かけなくなった。
私は、この春のトラブルと同時に、マックで起きた昨年からの問題も引きずっていた。
私にチュコレートをくれるチョコレートマンに昨春告白されたのだった。金紙のチョコレートをどさっとくれることを綴ったブログを読んだ友人が、要注意!ストーカーっぽいと警告をくれた時は既に遅かった。ブログは後追いで綴っていたものだから。
私はチョコマンが案外と良識ある人ではないかと思った。何故なら、いつも静まり返って誰もが聞き耳を立てているようなマックの店内で告白してきたわけではなく、ビルディングの外に出た時に呼び止めて来たのだ。少なくとも周囲の状況を認識できている人なわけだから。
即座に、既婚だと伝えると、街灯に照らされたチョコマンの白い顔が真っ赤になって、チョコマンはその場で夜空を仰いだ。その後、遠くで見ていますと言ったものの、諦めきれないと言うようなことを言って来たりしたものだから、マックが私にとって居心地の悪いものとなり、私は柱の影に隠れたり、他のカフェを探したりした。
そのチョコマンはコロナ禍以前に失業したようで、WIFi環境の良いマックで仕事を探しているのだと言っていた。ハローワークより効率良く探せるのだと。そんなチョコマンの姿をプツリと見なくなったのは、5月の半ばだった。どうにか仕事が見つかったのだろうか。
一方で小唄を習った帰りに、マックで一休みなのかと想像したりしていたお団子ヘアのおばあさんと、その用心棒かと言う60歳ぐらいの男性の二人組とは、相変わらずよく出会う。そして「今日は寒いですね」「今日はお早いですね」と声をかけられたりして私もオオムのように返している。
親子でもなく、孫や甥でもない不思議な年の差の大きい二人。世間話が毎日尽きないから一緒に暮らしているわけではないだろう。ある夜、代筆する用心棒が必要に迫られておばあさんに年を尋ねると、おばあさんは90歳と答えていた。互いの年も知らずに仲良く一緒にいたわけだ。そしてある晩に、見慣れぬ女性が飛び入りで近づいて来て、その話から3人の信ずるものが同じとわかった。
同じものを信じて何処かに通って誓った帰りにマックに来ているのだ。
そうか、そうかと思う年の瀬でした。
さて、マック納めに飲んだのは紅茶。リプトン紅茶は昔の紙に包まれたものではなくパックがしっかりしていた。レインフォレストアライアンス認証茶園の茶葉だそうだ。有機栽培ではないようだけれど、生態系に配慮した農園、労働条件の基準もクリアした農園ということらしい。
紅茶は以前よりぐっと美味しくなっていた。
毎年大晦日の夜には、キャリーカートを移動図書館のようにして本を入れている羊のようなおばあさんは、内田篤人さん似の気遣いの行き届いたスタッフに長い挨拶をしていた。
けれど、この夏に内田さんは辞めてしまった。私も寂しいけれど、羊のおばあさんも寂しいだろうな。
(登場人物の名前は全て仮名です。)
2 件のコメント:
マックⓂ️🍔🍟での人間模様は、楽しく読ませてもらっています😄。USB 事件から、もう、1年ですかぁ。1年早いねぇ😃。年取るのが早いよ。
来年も楽しい、ゆっくりしたマックⓂ️🍔🍟ライフを楽しんでください。
大晦日にコメント有難うございました。
おっしゃるとおり1年が早くてまいりますよ。
通うマックは照明がガンガンでないので本当に助かります。
スタッフの方々も親切ですし。
2023年もブログアクセスを宜しくお願いします。
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