「理系に進んだのは、理系の勉強が好きだったからではないんですよ。文系の勉強が嫌いだったから。 それでね、T大の理工学部に入ったわけですよ。」
そのセリフを耳にした私は、ああ、T大学は医学系の単科大学じゃなかったんだな、と思った。
と同時にこのセリフ、一体何回聞いているんだ?私はと思った。
「そうか単科大学じゃなかったんだな」と、私は何度も同じ下りで同じことを考えている。
話は進んで、大学では制御工学を学び、自らが考案したロボットを製品化する。しかし、自分で考えるモノは知れている。それで、
研究者や大学教授の考案するものを、製品化することを仕事にすることにした。
と、いつものように話が展開して行った。
この話を、いつも背中で聞いていた私は、昨夜は、正面の方から聞く羽目になったのだ。
正面と言っても、5、6メートルは先だ。しかもドラキュラにうってつけに、小さなライトが点在するだけだから、暗くて遠目に顔まではよくわからない。
マスクをかけた彼は、携帯相手ではなくノートパソコンに向かっていたのだ。驚いたことに身振り手振りも声と同じように大きかった。歳は、20代後半か、32、3歳と言った感じか。
私のように、この話を何度となく聞かされている人も少なくないはずだ。
入場したつもりもないのに始まった公演 は毎回同じ演目のロングラン公演という感じだ。
「黙れ、おしゃべりインコ!」などと文句を言う人もいない。
このマックの住人たちは、お行儀の良い人々が多いものだから。
これまで私は、おしゃべりインコはビジネスパートナー探しをしているのではないかと勝手に思っていた。
しかし、昨夜は、アドリブが多く、その内容はビジネスパートナーを望む相手に向けての言葉かしら?と思うものがあった。
一つは、考案者である大学教授などを、世間知らずなどと結構な言い方をしたり、この一回30分で私の全てをわかってもらうことはできないと思っていると言ったことだ。
ビジネスのパートナーに、仕事に関わる人を悪く言うことはしないであろうし、ビジネスに人となりの全てをわかり合う必要などないのだ。
おしゃべりインコは、何のためにマックでパソコンに向かって自己を熱く語っているのだろう。
コロナが収束しなければ、パソコン画面に映る相手の顔をチラ見することもできないな。
今日の東京の最高気温は13度、最低気温は3度、晴れのち曇りの予報です。少しだけ寒さがマシですかね。
本日もお忙しい年の瀬に、当ブログにご来訪いただきましてありがとうございました。
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