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2020年12月12日土曜日

病院の閉院の重さ


地元の病院の閉院が公表された。
非常にショックだ。
クリニックの開業も勤務医が独立して開設する時は、正に一大決心であろうけれど、病院が経営を止めると言うのは社会的責任も大きく苦渋の決断であったろうと察している。
ずっとあり続けると思っていた病院だった。
開業は大正9年に遡り、100年もの間地域医療を支えて来ていた。
院長は閉院の理由を施設の老朽化等によりと病院のHPに記している。
少なからずこの新型コロナウイルスも影響したのではないだろうか。
病床数としては、経営が難しい規模であったかもしれない。
けれど好立地であり、外来患者や検診が相当数あれば経営を続けられたのではないだろうか。建物の建て替えを計画する時期とコロナ禍が重なったのではなどと考えたりしている。
病院は、地域医療を支えるだけではなく、地域の雇用ももたらしている。
今回閉院する病院でも、医療従事者、事務職など含めれば80人近くの人々が雇用されていたのではないだろうか。

 
10年ほど前であったか、
乗り込んだタクシーの運転手さんが、この度閉院する病院の院長に救われたと言う話があった。
その話はこうだ。
今でも24時間対応しているその病院に高熱で夜間にかかった。
原因は、虫歯から菌が体内に入ったための高熱で、危険な容態だと診断した院長が直ぐさま大学病院に連絡をした。
救急車で大学病院に運ばれる際には、院長も救急車に乗り込んだ。
着いた大学病院では、脚の切断が言い渡された。
それに対して、同行してくれた院長が、脚の切断をどうにか避けて欲しいと訴えてくれたと言うのだ。
そして、結果足の指の切断でどうにか治療されたと言うのだ。
タクシー運転手は、だからこうして仕事を続けられているのだと。
私は、救急車に一緒に乗ってくれたのは院長だったのかと聞き直したことを覚えている。

 
この度閉院する病院が夜間も診療していたことも果たしていた役割が大きい。
赤ひげ診療所の時代でははあるまいし、夜間対応のクリニックなど滅多にはないのだから。
夜間の急患が、大学病院に集中してこなせるものか。
ともかく、24時間365日病院を管理運営してきた院長(理事長)に陰ながらお疲れ様でしたと言いたい。
 
 国は、30数年前から病床の削減に舵を切った。
以来、施される策は病院の経営体力を奪うもであった。
もはや存続している病院にも体力がないのだ。
これから同様に閉院する病院が他にも出てくるかもしれない。
一昨日は、都知事が発表した、ひ・き・し・め・よ・うに呆れた。
もう百合子様の言葉遊びにもうんざりだ。
昨日は昨日で、総理大臣の「こんにちは、ガースーです。」と微笑での動画サイトの挨拶だ。
リーダーに緊張感、危機感が感じられない。
 

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