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2020年12月11日金曜日

通院辛苦


病院への道は、
またもや険しかった。
たらたら走ったかと思うと、また止まる。
太陽光から身を守るために完全遮光の体制の私ドラキュラは、
日焼け止めなどでは容易に皮膚や眼を傷めつけられるので、
タクシーの中で手製の完全遮光の覆いで顔面も覆っている。
だから辺りの様子は全くわからない。
しびれを切らして「バスの後ろなの?」と運転手さんに尋ねてみた。
「違う!」ぶっきらぼうに答えた高齢のドライバー。


 
タクシーは動かぬままに、ただただ時が流れて行った。
すると突然、重い空気と一緒に交錯するようにエンジン音が車内に入って来た。
どうやら高齢ドライバーはタクシーの窓を開けたらしい。 
「何するのよ!私はドラキュラなのよ。直に太陽光が入って来るじゃないのよ!」
「何をわけのわからないことを言ってるんじゃ。わしはコロナで死にたくないんじゃ!」
「止めて、窓を閉めて!」とドラキュラ。 高齢ドライバーは、強盗に備えて足元にハンマーを置いていた。
それを振り下ろされて、私は終わった。

 
と言うことにはならなかった。
私もコロナは怖いから気持ちはわかる。
そして、私は枯れた。
今日の東京の新規コロナ感染者数はついに600人を超えた。
渋滞ながらもタクシーは病院になんとか着いた。
事実上、Go to コロナでコロナに終着駅は見えない。
迎春なんて気分にはとてもなれないな。


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