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2022年1月11日火曜日

水際対策も水泡に帰す

 

 新年早々、沖縄での新型コロナウイルスの急激な拡大が連日伝えれらている。今日からは那覇市立病院は当面の間、全診療科の外来診療を原則停止するという。その他の基幹病院でも外来や不急の手術なども制限するということだ。
家庭内感染を防ぐため、車中泊する人も出ており、エコノミー症候群発症の注意を呼びかける事態だ。
また、新学期が始まった県立高校などでは分散登校となっている。

 沖縄では、キャンプハンセンで昨年12月初旬に米国から来沖した米海兵隊員99人のクラスターが確認されていた。その後12月17日、県内で初めて日本人がオミクロン株に感染していることがわかった。ハンセンに勤務する従業員であった。
この時、米側は、ハンセンの新型コロナウイルスについてゲノム解析を行っておらず、変異株の種類について明らかにすることはなかった。
その後、県民に感染が拡大し、12月30日に市中感染者と認められる者のオミクロン株の解析で基地従業員のウイルス と同じオミクロン株でることが確認されたと言う。

同様に、岩国基地を抱える山口県、隣接する広島県でも既にオミクロン株の市中感染が伝えられている。
ちなみに、1月6日時点で、 在日米軍による9基地の感染者数は、
三沢133人、横田85人、厚木88人、横須賀213人、キャンプ座間38人、キャンプ富士46人、岩国529人、佐世保49人、沖縄キャンプハンセン282人(嘉手納、キャンプシュワブなど多数の基地関係施設を除く)と公表された。

この報じられ方にも疑問が残る。岩国が一番多いと報道されているけれど、沖縄はキャンプハンセンのみの数値だ。沖縄が引き受けている米軍基地や米軍関係施設は国内で一番多いことは言うまでもない。
在冲米軍感染者数は、7日時点の直近1週間の平均感染者数は903人が確認されているという。

 
在日米軍の外出制限は、昨日1月10日から始まった。やっとと言うにはあまりにも遅いタイミングだ。
そもそも、水際対策を迅速に徹底して行っても、米兵が出国時と日本到着後に検査を全くしていなかった。米国で感染拡大が続いている中でだ。
米国でワクチン接種が進んだことから昨年9月3日に米国防総省の方針に基づき免除していたと言う。日本到着後5日以内にPCR検査の実施はしていたが、行動制限はなく施設内は自由に行動できたと言うことだ。

日本政府は、米兵の検査免除は承知していたはずだ。地位協定以前の問題として、申し入れをすべきであった。水際対策がザルよりお粗末な底のないバケツだ。水際対策の厳格化で息を巻いていた与党外交部会長の役者っぷりも大したものだ。

今年は、沖縄が日本に復帰して50年になる節目の年だ。そんな年に政府は、予算案で沖縄振興費を対前年比で11%減らした。軟弱地盤の辺野古に基地を建設しようとする政府と計画変更を不承認とした沖縄県との間では対立が続いている。
政府に、沖縄を思いやる姿勢が感じられないでいる。

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