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2021年1月6日水曜日

まざまざとプータロー


仕事始めなんて綴っても、私には仕事もないし、向かうべき職場もない。
しみじみと寂しいな。
もはや働いていた月日より、プータローの月日の方が長くなってしまった。
いやいや情けないな。 
コロナのおかげで、明日には死ぬかもしれないと思って、我が人生を総括をすると、闘病生活か、プータローか、ということになる。
プータローという身分に唇を噛むシーンというのは一年のうちで何度かあるけれど、仕事始めの日の4日が毎年横っ面を殴られたように一番がーんとくる。
 

 
プータローの唯一の行き先は、マックだ。
コロナ禍にあって、もはや他のカフェの選択肢はなくなった。
お正月三が日はマックも休業だったから、何のために起きるのかさえわからなくなってしまった。
お腹が空いて渋々出かけた2日の晩には、喉も乾いて以前は利用していたカフェに入ってみた。ライトの向きを変えてもらったドラキュラ席が1席あるのだ。
しかし、またしても、どの客席も話に花が咲いている。
またしてもと言うのは、昨年も何度か入店を試みているのだ。
ある時は雨宿りに飛び込んだこともあった。
しかし、いつもいつもテーブルを囲む複数の客人が、マスクなしで話に興じているのだ。
マスクをかけているのは、ぽつんぽつんと居る1人客だけだ。
そのカフェはL字型で、スタッフはLの 字の下の横棒のところ、客席は縦に長く連なっている。スタッフの接客カウンターの前は大きなドアの出入り口だし、長く連なる客席との間にも人が出入りする大きなドアがある。
つまりスタッフは、客席の空気を吸うことはないのだ。
2日も一度は腰を下ろしてみたけれど、私はマスクを外すことができなかった。マスクが外せなければ、褐色のコーヒーをただ見つめるだけのことになるから、下を向いてカフェを出てしまった。
何故に、あのカフェはピーチクパーチクうるさいぐらい賑やかなのだろうと行きつけとなったマックと比べて考えてみた。
まずは、カフェは圧倒的に2人以上の客が多いことだ。コーヒーを楽しみに来ているのではなく、目的は会話なのだ。
一方で、行きつけのマックは、9割方が1人客だ。
残業の途中での夜食か、読書、勉強、仕事という感じだ。1人でも、おしゃべりインコみたいな者もいるけれど、それでもインコもマスクをかけている。
賑やかなカフェでは、話終えて帰るおばさん達が、不思議なことにカフェを出る時には皆それぞれにマスクをかけて出て行った。 

 
4日にはマックがいつもどおりに営業していたからほっとした。
まる3日コーヒーを飲まずにいても禁断症状も出なかったから、
一日一杯のコーヒーでは中毒にはならないんだな。
いつも離れたカウンター席にいる、羊のようなおばあさんの背中が既にあった。
白髪にはパーマが当てられて、ふっくらしたおばあさんはいつも本を読んでいる。
大晦日の夜は、羊のおばあさんはスタッフに長々と口上を述べていた。
良くは聞き取れなかったけれど、雨の日も風の日もいつも笑顔でありがとう、来年もどうぞよろしくというようなことのようだった。
それを聞いた私は、帰り際にすれ違ったスタッフに「良いお年を」とだけ言った。

 
今日の東京の最高気温は12度、最低気温は2度、曇り後晴れの予報です。
東京、埼玉、千葉、神奈川には再び緊急事態宣言が発令されることになりました。
夜を生きるドラキュラにはまた試練です。
もはやコロナに罹患して熱が高くとも、おいそれとは入院できないようですから、皆様くれぐれもお気をつけください。
コロナで辛い中にある方には、1日も早いご回復をお祈り致します。

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