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2021年1月31日日曜日

マックにて

 

ウルフムーンの夜、
彼女はいた。
「昨日と一昨日はどうしていたの?」
「もしかして昼間のシフトだったのかな?」 
コーヒーをカップに注ぐ彼女の背中はとても小さい。
桜草の君、彼女がいるだけで 満足な私は、かける言葉も彼方に彼女の背中を見つめ続けた。
不意に彼女が振り向いて、「ありがとうございました」とコーヒーカップを置いた。
微笑む彼女の瞳は三日月になる。
 

 
 雨上がりの月曜の夜ほどではなかったけれど、
密を避けるテーブルを少しの間探して、慣れない席に腰を下ろした。
コーヒーの温もりで温まった掌をそっとカップから離して前を見ると、席に座っていた老人のセーターがとても美しかった。
手編みのそれは、綺麗に目が揃って、白でもない、グレーでもない
、曇ったガラス窓から見る雪景色のようであった。
そんなセーターには、ネイビーブルーのデニムとマフラーを合わせていた。
 何枚もの紙の資料に目を通していた老人は、携帯で話を始めた。
 どうやらマンションの管理組合の役員らしい。
リタイアしたような年頃の人たちが、このマックでマンション管理組合役員の打ち合わせをしていることがある。


 月曜日は、雨上がりだったからか、25日の給料日だったからか、
ビジネスパーソンでいつもより混んでいた。
 雪も舞った木曜日の夜は、厳しい冷え込みで、私はコートを着たままコーヒーを啜った。
周りを見ると、ぽつんぽつんといた人々も皆コートを着たままだった。
 
ウルフムーンには、思い浮かんだ願い事を紙に書いて、ウルフムーンに向かって読み上げ、その後紙を破り捨てて、土の中に埋めると願いが叶うという。

そんな話をしながら、彼女の細い肩を抱いて家まで送ってあげたい満月の夜でした。


 

 1月最後の日となる今日の東京の最高気温は14度、最低気温は1度、曇り時々晴れの予報です。

本日も当ブログにご来訪いただきまして有難うございました。

 


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