御座候

 

　緩やかに、温かい政治系YouTubeチャンネルがある。

開設者のぽぽんぷぐにゃんさんがリアルタイムでリスナーから寄せられるチャットを読み上げて、 コメントしていくのだ。

９月の初めの水曜日の配信では御座候で盛り上がった。御座候の店舗があそこにある、ここにある、白あんが好きと言う声も。聞いているうちに、まあるい御座候がポワンと浮かんできて、ごくりとなった。

食べたい。なんとしても食べたい。

特に白あんのが無性に食べたくなった。

御座候は姫路が本拠地で、播磨生まれで播磨育ちの義父の大好物でもあった。

牛男さんも姫路生まれなので、私の「御座候が食べたい！」に極めて前向きになった。

ところが、隣町にあった御座候は横浜のたい焼きのお店に変わってしまっていた。東京人は横浜という言葉に魅力を感じるのか。

仕方なく、類似品の大判焼き、黄金焼きでも良いと思ったけれど、牛男さんが懸命に調べるも、それらも近辺にはない。横浜市内にあったはずの黄金焼きのお店は既に１店舗も無くなっているという。

そしてその週末、横浜市内の御座候の店舗で牛男さんが買ってきた。１つ１１０円という、今どき庶民思いの価格だ。１１０円で変えるスィーツってあるだろうか。あんぱんだって１１０円では買えないだろう。

小麦アレルギーなのに、それでも食べたいが大きく勝った御座候はやはり唸りたくなるほど美味しかった。

御座候の格別な美味さの秘訣は原材料だろう。

小倉あんも、白餡の手亡豆も共に北海道産だという。

小倉あんの小豆が北海道産はあり得ると思ったけれど、白あんも北海道産の手亡豆とは、すごい！

しかも心配していた膨張剤はアルミニウム不使用！

やはり美味しいにはわけがあるということ。

久しぶりの御座候は甘さも控えめで、

おそらく一度に５つは食べられるだろう。

近くにお店がないのが、残念で悔しい。

生きているうちに、あといくつ食べられるだろうか。

今は、御座候を１０個食べて呼吸困難になって息を引き取ったら幸せというものじゃないかと思っている。

まずは白あん二つ、小倉あん一つ、また白あん二つ、次は小倉あん二つ、・・・