夜空しか見上げることができない私に
希望はない。
それでも今夜、
気がつくと久しぶりに鼻歌を歌っていた。
3月の末に起こしたアクシデントのけりもついて、
通院のダメージからも回復してきた。
希望は持てないけれど、
今年は大好きな八重桜がおぼろ月と一緒に心を慰めてくれる。
昨年は、それどころではなかった。
やはり三月の末に、目の上は殴られたように腫れ、頬はおたふく風邪のように膨らみ、顎には大きな拳ができて、顎を引くことすらできなくなった。
別の難病も発症していたのだった。
夜の美容院で、照明の強い反射光を浴びてから後の事だった。
首をぐるりと切開して細胞を採って検査しなければならないと言われ、動揺した。そこでまた強い光を当てるなら、さらに病態が悪化することは必至だ。
そもそも専門医ではない医師も、躊躇っていた。
昨年の今時分は、なんとか病態がマシになるように、これまで以上に光を避けて、安静に努めた。
これまで以上とは、要するに食事の時以外は灯りを点けない暮らしだ。
実は今もその暮らしの延長戦となっている。
血液検査でその難病は確かであったけれど、そうした暮らしが奏功したのか、腫れはしぼんできて首のぐるりの切開はとりあえずしないこととなった。
そもそも、その難病を診ることができる医師もいないし、治療法も確立しているわけでもないのにそんなに切り裂いてどうするんだと思う。
ピンクムーン |
ですからね、もう希望なんか溶けちまったわけですよ。
それでも生きていれば、波風が立つわけで、それが収まれば
少しほっとして、それを良しとして生きるしかないわけです。
八重桜の魅力は、
幾重にも重なる花びらのひらひらと
それが房になって、風に揺れると囁くようにかさかさと音がする。
またその花色が 染井吉野よりはずっと濃いピンクで
ぼってりと、実に妖艶な姿であることだ。
夜空もそんな八重桜に埋め尽くされて、嬉しさ一入だろうと思う。
中には、天女の羽衣のように白に近い、淡い淡いピンク色のものもある。
こちらは、やや濃いピンク色だ。
むせ返るように美しい。
こちらのマンホールの蓋は桜模様だ。
今日の東京の最高気温は19度、最低気温は11度、曇りのち雨の予報です。
本日も当ブログにご来訪いただきまして有難うございました。
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