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2020年11月8日日曜日

支離滅裂、公助の答弁

 

 日本学術会議が推薦する6人の候補者について、首相が任命を拒否した問題では、首相がインタビューで推薦者名簿は見ていないと発言したことに驚かされた。
そして始まった国会では、首相に答弁が求められても、代わって答える官房長官の発言に「いま、官房長官が答えたことと一緒です」と答弁する場面もあるなど、首相答弁の痛々しいほどのグダグダさと共に徐々に明らかになる事実に驚かされ続けている。
衆院代表質問では 、(学術会議推薦者を)任命しないことが違法であると攻められると違法ではないとし、
首相は、
「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが出ないことも踏まえて、多様性を念頭に私が任命権者として判断を行った」と答えた。

これについては、既に報じられているように、東大在職者の割合は低下傾向で16.7%、関東地方会員割合も減少傾向で49.5%(2020年10月)となり、一方女性の割合は増加し37.7%となっている。

今回拒否された6人のうち2人は、会員ゼロの大学、会員1人の大学 であり、1人は女性であり、年齢では53歳の1人が含まれていて、首相の言う偏りには「当たらない」のではないか。

そもそも、「私が判断した」と言うのは、推薦者名簿(全体の)は見ていなかったというインタビューでの首相の発言と大きく矛盾する。

続く予算委員会で最も驚かされたのは、首相自身が今回拒否された6人の学者のうち 加藤陽子氏以外の5人について名前も知らなかったと首相が答えたことだ。
立憲議員が「6人の方のお名前はご存知でしたか」と問うと「加藤陽子先生以外は承知していませんでした」と答弁したのだ。

「名簿は見ていなかった」、「(拒否の)判断を行った 」との発言から迷走が続く。

また、「(6人の任命拒否の理由)人事のことは 説明は控える」と再三答弁する首相に対して、自著には、総務大臣時代にNHK改革で反対する官僚を更迭したエピソードが明らかになっていると指摘された。

さらに、除外された6人を含む105人の名簿を見ていないと発言する首相に、いつ6人が除外されたことを知ったのかと追求を続けた立憲議員に、首相は「(9月)24日に起案が上がってくる前に聞いた」と答えた。誰が説明したかについては、「たぶん杉田副長官」と明かした。


一昨日6日の参院予算委員会は、学術会議推薦前の事前調整を巡って紛糾した。発端となったのは、5日の「推薦前の調整が働かず、結果として推薦された者の中に任命に至らなかった者が生じた」と言う首相の発言だ。これは、3年前の半数改選の際のことらしい。
学術会議が推薦する前の調整とは、どう言うことか。
それが事実ならば、
共産党書記長が政治介入そのものと言うのは正にそのとおりであろう。 
 

 
そもそも1983年に当時の中曽根首相が政府が行うのは形式的な任命にすぎないと国会で答弁している。この「形式的」発言は繰り返されていること、国会議事録には、当時の政府委員が、総理の学術会議会員の任命行為が「(推薦に伴う)付随的な行為」である、と述べたことも記されていることについて首相は承知しているのか立憲議員から問われた。
さらに首相が国立大学の学長の選出を拒否できることを引き合いに出すことから、当時の国会で学長のケースと異なることが、当時の文教委員会で委員と内閣官房参事官とのやりとりが残されていることも示された。

国会にもはからずに、しれっと法解釈を変更したと考えると実に自然だな。
このような国家をなんと言うのだろう。

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