過去 1 週間のページビュー

2020年4月9日木曜日

通院辛苦



陽春の候 通院が気が重いことは言うまでもない。
強くなった日差しに苦しめられる上に、
この度は新型コロナウイルスの感染リスクがある。
大学病院の通院患者数は、1日2千人に及ぶ。
人で溢れる場所に飛び込んで行くのだ。
しかも、通院の足は密閉空間のタクシーだ。
太陽光は日焼け止めやサングラスでは皮膚や眼を守ることはできないので、顔を覆わなければならないのだ。
けれど、行かねばならぬ理由があった。
薬に加えて、今年も例年同様に難病認定更新手続きをしなければならないからだ。そのため血液検査をしなければならないのだ。
憂鬱を抱えて、遮光の身支度を整えた。
近年、電話でタクシーがなかなか捕まらない。
ところが、コロナ禍、一発でタクシーが捕まった。
完全遮光傘をさして、タクシーに乗り込む瞬間に、傾き始めているであろう日差しが、広く辺りを明るく照らしているのが恨めしかった。
そして、コロナ禍、消毒ジェルが置かれた受付には、入院見舞いの来院の断りが掲示されていた。
脇目も振らず採血室に向かって、辺りを見ると採血を待つ人がいなかった。
改めて、周囲を見渡すと院内には、人っこ一人おらずと言う感じだった。 午後とは言え、ここまで閑散としていたことは、15年のうちにはなかったことだ。
ところが、それはスタッフも同様で、以前採血に失敗した看護師さんが、「私しかいないので、ごめんなさい」と。
そして、またかの採血失敗だった。
腕に入った針は血液を全く吸い上げず、針を刺したまま、肉の中を針が右に左にぐいぐい泳ぐ。
やっと血液が上がる血管に辿りついたかと思ったら、痛みで吸い上げ続けることができなかった。
結局、以前と同様に刺し直しとなった。
この日の通院で、唯一助かったことがある。
誰もいない院内で、完全遮光の傘をさして移動できたことだ。
いつもは、棟と棟の移動に、太陽光を避けるべくわざわざ地下に潜らなかればならないから。
心身ともに負担な、通院だけれど、カフェもやっておらず、この度はご褒美もなし。
サンプルの絵だけです。


 広い院内を傘をさして踊ってくれば良かった。
それは帰宅してから思ったこと。


0 件のコメント: