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2020年3月1日日曜日

今日から弥生



新型コロナで、
飲食店がどここも閑散としている中で、
つい3日前に通りかかった食事処は賑わっていた。
大きな提灯がかけられた味わいある 店先と中から感じられる熱気のようなもの、
それは大きな声が響いてくるとかというわけでもないのだけれど、
ほんの少し覗き見える客人たちの横顔に感じ入るものがあったのだ。
その熱さに私は思わずカメラを取り出した。
今、この写真を撮影した翌日にお店が閉店したことを知った。
驚いた。
そして寂しい。
あの夜の熱いほどの賑わいは、常連客の最後の味わいの席だったに違いない。
私が初めて上京してきた時、既にこちらのお店はあった。
自らの将来に当たり前のように希望を持って東京に乗り込んできたのだった。
それは思い返せば遠い昔の3月だったな。
仕事帰りに見てきた夜のお店の賑わい。
この10年は、夜更けにガスボンベを運び出す様子と、
午前3時頃から始める仕込みの音を確かめるように私は歩いていた。
提灯の奥、ガラス扉の張り紙には、体にやさしいたべものという文字が見える。
とても寂しいけれど、店主がお元気ならそれで良しとするか。

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