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2019年12月5日木曜日

長い夜のおしまいに



 長い夜のおしまいに
二日続けて手紙の投函に出かけた。
一日目は投函したのが5時で、
そのままスーパーマーケットに入った。
夜間は出入りが閉鎖されているドアが既に開放されていた。
驚いたのは、入店すると間も無く館内放送が入って
「トラックが14台到着しましたので集合してください」の号令だった。
14台もかと私も駆けつけたくもなった。
そうは言っても5時半になれば紫外線が危うい。
買い物をして、急ぎ足で家へ向かう私に対して、
真っ暗な空気を払いのけるように駅へと向かう人々が思っていた以上の数で向かってきた。


二日目は4時を回った頃に出だ。
ぽつりぽつりと駅に向かう人がいる。
それは、人の数がぽつりぽつりであって、
真っ暗な中にあっても、ぼうふらのように、うようよという感じではなく、ばさっばさっと冬支度の衣類が擦れる音などがして、
目的があって歩いている感じなのだ。
やっぱり仕事に行く人々なのだ。
羨ましいなぁ〜、仕事に出かける人が。


手紙は共に来春早々に開くクラス会への出席のお願いだ。
一通は、恩師に当てたもの。
今時は、ネットで名前を検索すると、ちょっとした情報が載っていたりする。
2005年に他の県立高校の同窓会に寄せた恩師の一文を見つけた。入院したりで体力に自信がないのでと、欠席と記されていた。
私の想像は進んで、お名前から干支を推察して御歳102歳ではないかと考えた。
ご出席いただくのは難しいのではないか、返ってこの手紙がご迷惑ではないかなどと考えながら綴った。
もう一通は大分で研究に勤しんでいるらしい同級生に当てた。
級友の論文がネットに載っているけれど、私にはちんぷんかんぷんだ。
随分差がついたものだなと思いながら、案内は簡潔にして、今後の連絡のために返信が欲しい旨を書いた。


恩師からは早々に、一昨夜、お電話をいただいた。
昔と変わらないお声で、「折角だから、出席させていただきますよ。楽しみだ。」とおっしゃった。
「私の中の皆さんは18歳の時だから、どんなになっているか。
大きくなったのでしょうね。 大きく、っておかしいね。でもそう言う感じなのですよ。」とも。
93歳だと言う先生は、とてもお元気そうだった。
その夜、私は久々に嬉しいと言う気持ちを存分に味わいました。

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