過去 1 週間のページビュー

2019年12月12日木曜日

通院辛苦



 私の通院には、ついに針山も待ち受けるようになった。
微量の紫外線に20秒当たっただけで火傷になる私にとって、昼間の通院は、通院それ自体が地獄街道だというのに。



狙いを定めた血管に、
ぐいっと針が突き刺さる。
 「痛っ!」
押し子が少しづつ引かれて
つられたように赤黒い血液がじんわりと上がってくる。
ボトル2本分を採ったところで、
突如枯渇か?
石油のように、湧き出てこない。
満たさなければならないボトルはまだまだ10本近くあると言うのに。
「探っていいですか?」
探るとは、突き刺した針を糸のように細い血管の中で、
グイグイ右へ左へ動かすことだ。
石油の脈を探り当てるように。
当然ながら血管は傷つき、内出血して、痛む。
針の刺し直しよりはマシか?
私は渋々「はい」と言う。
再びの「痛っ!」
それでも湧いてこない。
仕方なしに、ずぶっと刺し直し。
こんなことが続いているのだ。
10年以上採血をしてくれていた師範が、昨年ついに退職してしまった。
その後、師範級に巡り会えたものの、師範級の勤務日と私の通院日が合わないのだ。
採血は毎月ではない。
およそ二ヶ月に一度。
難病特有の検査項目が入って、相当量の血液を要するのは半年に一度だ。
費用負担額が大きいから。
私が難病に認定された10年ほど前は既に、検査料、診察料など医療費は自己負担(2割)となっていた。
今回の採血は、初めての臨床検査技師さんとなった。
「今日こそは、失敗はしないで欲しい。」と恨み千年と言う思いを込めて私は言った。
すると、まだ若い検査技師さんは、素人目にも一番太い血管に針を突き刺した。
痛くなかった。
成功して当たり前よと言う風にさらっと「有り難う」言った私は、もはやベテラン患者だ。


 昨夜は、また歯医者だった。
歯医者は夜だけれど、連日の通院イベントは身体に障るので避けたかった。
けれど、夜の長い冬に予定は立て込むのでやむを得なかった。
出来上がった詰め物を詰めるだけのつもりが、今年3月に入れたセラミックの歯がダメになったようで、急遽神経を抜くことになった。
そして麻酔の注射の途中で私の身体がおかしくなってきた。
工面が大変だったセラミックの代金と、先月平べったい鉱石のように硬い荒焼き海老煎餅を食べた後に突然しみて痛み出したので海老煎餅への恨みとが頭の中をぐるぐると駆け巡っているうちに、
呼吸が苦しくなって心臓がばくばくしてきたのだ。
「あんこさん!、あんこさん!大丈夫ですか!」とまではならなかったけれど、麻酔を途中で止めて、ガリガリと神経を抜かれた。
よたよたと帰宅すると、
臨時国会の最中に、いわゆる政治と金の問題で辞任した閣僚等に840万円を超えるボーナスが支給されたと言うから、
何ともやるせない思いがする夜です。



0 件のコメント: