マックの春は早くやって来て、
あっという間に過ぎて行った。
ドラキュラの貴重な憩いの場、控えた灯り、吹き抜けのスペースには灯りもない。
そんなマックは夜の施設の中で、ただ一つドラキュラが心身を共にほぐすことができる場所なのだ。
東京に春一番が吹く頃、
お世話になって3年目になる桜草さんが、マネージャーになった。
金色のタイに黒いベスト姿に変わった月曜日の夜、
「マネージャーさんになったの?」とカウンター越しに尋ねた私に、桜草さんは満願の笑みだった。
私は、一瞬返す言葉を探した。
何故ならば、学生で、マックのマネージャーがどこまで責任を負って、その大変さは全くわからないけれど、アルバイトという非正規で管理的な業務を負い、そして120円という価格のコーヒーを提供してもらっているという現実に、おめでとうという言葉を発するのをためらったのだ。
大げさに言えば、これでいいのか日本。
すかさず、桜草さんが「はい、マネージャーに昇格したんです!」と昇格という言葉を嬉しそうに使った。
それから、私は「おめでとう」と言った。
さくらのフィズが売り出された頃、
半年以上見かけることがなかった、おそらくお国はフィリピンであろう女性スタッフがカウンターに立っていた。しばらくぶりね、と言うと、「一度辞めてまた戻って来た」と彼女は言った。
5年以上お世話になった店長が昨年異動となって、それより前には内田篤人選手に似たスタッフが就職のために辞めて、なんだか心淋しかったところに、明るい彼女が戻ってきてくれたことは、私も嬉しかった。
4月の初めの通院のご褒美は、マックのほんのり甘く春の味がするさくらフィズを飲もうと決めていた。
ところが、その夜さくらフィズと言いかけて、メニュー表に眼をやるとピンクのそれが消えていたのだ。
桜が散るより早くさくらのフィズは販売を終了してしまった。
その夜の私の落胆は、とても深いものとなった。
今日の東京の最高気温は24度、最低気温は16度、晴れ時々曇りの予報です。
日本にお住いの皆様はゴールデンウィークに突入して、心浮き立っておられるでしょう。
ゴールデンウィーク中は、ブログアクセスが落ち込むので、がっくりします。
ブログへのご来訪をどうぞよろしくお願いします。
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