夜のスーパーマーケットには、
恥ずかしくなるくらいに人がいなかった。
それより前、親子丼を食べたご飯屋さんでも
広い店内に、ぽつんぽつんと6人ばかりの客。
いつもはくたくたで、今日には辞める決心をしてしまったかと思われる店長さんが、
笑顔でお茶のおかわりを勧めてくれた。
聞けば、昼間も普段ほどに混んではいなかったのだと言う。
カフェに入って、
胸をなでおろした。
いつものレギュラーメンバーがいたのだ。
フォワードは3トップ。
2席という間を空けて、余裕で座っていた。
ライト側には、冬の間、ピーマン色の鮮やかなセーターを 来ていた小柄な女性がパソコンを前に仕事をしていた。
彼女もすっかりレギュラーメンバーとして定着した。
ディフェンスには、さらに小さな小竹さんもいた。
小竹さんは、そよ風でも倒れそうなくらい華奢で小さい。
70歳はとうに超えていると思われる。
けれど、ことによると30年前も今と同じふうだったかもしれないと思ったりもする。
それでも小竹さんは、2週間おきに渋谷の美容室に行くと言うから、私はおったまげてしまった。
私はといえば、昨夜3ヶ月ぶりに電車に乗って日本橋に行って筋肉痛だ。
階段の昇降を繰り返したわけでもないのに。
カフェに腰を下ろしたら、疲労もあって、身体がどっと重くてもう一歩も歩めないと言う感じがした。
私は、カフェでぼけらっと空を見つめる。
小竹さん以外のレギュラーメンバーはみんな前かがみで仕事をしている。
まさにこの連休中も仕事を抱え込んでいると言う感じだ。
私は、身体が辛い時は、もう仕事なんかできるはずもないと思ったけれど、やっぱり抱える仕事が羨ましく映った夜でした。
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