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2018年5月15日火曜日

和蘭豆(ランズ)ナイト



 やばい、声に出せない言葉が心の中を駆け巡った。
気がつくと、枕元にスーツ姿の良人が仁王立ちだったのだ。
昼夜逆転の暮らしのドラキュラだけれど、
それでも遅い目覚めとなった昨夜は、
完全な寝坊だった。
良人は無口という病気だから、怒鳴ったり説教を垂れたりはしない。
でもそれが重圧でもある。
まともに目を合わせることができず、そそくさと着替えた。
多少とも私に面目があったのは、
昨夜は義母に遅ればせながらの母の日のプレゼントを
私が買いに出かけることにしていたからだ。
顔に塗り壁のように日焼け止めを塗ったくって、
パルシステムの食料をチンチンして、
20時の電車に乗り込んだ。


夜の街に飛び出せば、こっちのものだ。
行き先は蒲田、目的は林フルーツというのは大義であって
本当の狙いは、和蘭豆だ。
林フルーツでは今が旬の茂木のびわを義母に送った。

和蘭豆に入ると、
スレンダーでモデルのように美しい女性スタッフが、
灯の具合を配慮して、どの席にするか尋ねてくれた。
前回も感じたのだけれど、この美しいスタッフは、
帽子にマスクにサングラスに杖という不気味な乙女を覚えていてくれているのだろう。
綺麗な女性に優しい声をかけられると、
頭を撫でられた犬のように、
私は、メロメロになってしまうのだ。


 昨夜、鰻鰻亭のイートインはすでに終了だった。
それで、空腹を満たすためにまずは、サンドイッチを注文した。
光線過敏の症状が重くなるレタスやキュウリは抜いてもらった。
たっぷりのケチャップが嬉しかった。
ケチャップは、チューブのを一本飲みたいぐらい好きだから。
真っ赤なケチャップの下には、ハムと卵に胡椒が効いて、トマトも入っていて予想以上に美味しかった。
最初に用意されたピンクのお皿は、溢れ出るほどの具を受けるのに必要だったのだ。
ちなみに、ピンクのお皿は可愛いニッコーのお皿。
ニッコーNIKKOは子供の頃から、結構好きなのだ。
中学生の時は、唐草模様(ミングトゥリー)のデミタスカップ&ソーサーでインスタントコーヒーを飲んでいた。
サイフォンで淹れられたコーヒーは、
サンドイッチやケーキにぴったりの苦味と少々の酸味がある深い味だ。
ソーサーには和蘭豆の文字が刻まれている。
お伝えし忘れていたか、和蘭豆はおしぼりが出される。


そして、前回美味しかった
チョコレートナッツケーキをまた食べた。


このガナッシュクリームの布団をかけて寝たいという感じだ。
店内に蛍に光が流れて、閉店まで過ごしてしまった。
いやいや和蘭豆では、やはりほっとできた。
私は、コーヒー一杯500円以上のお店は、それなりのサービスと味を求めてしまう。
実はGW中に入ったカフェでがっくりしてしまった。
そのカフェを以前私は、結構持ち上げ、絶賛してしまった。
ところが今年は、酷かった。
向こう様にしてみれば、勝手に誉めそやしたのは「てめえ」だろと言うかもしれない。
それはそうだ。
でも今度はひどかったとはブログに綴るわけにはいかないのだ。
私の過去のブログをたまたま読んで行った人がガッカリするのは申し訳ないなと思ったり、
あの時のカフェのホールスタッフも厨房スタッフも良かったのは事実だしなと悩むこの頃なのだ。


今日の東京の最高気温は27度、最低気温は16度、晴れの予報です。
暑くなるようで、
美味しいアイスコーヒーが恋しくなりそうですね。

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