歩みは千鳥足、
右に左に揺れて、
夜の歩道を真っ直ぐに歩けなかった。
酔っ払い女だと人は思うだろう。
どう思われようとかまわないのだけれど、
昼間だったら、こんなふうには歩けないだろうな。
家の中で安静にしていると、
身体は楽だけれど、
頭は、やはりぼんやりとしてくる。
カフェで熱い珈琲を飲んだ。
それでもすっきりしない。
閉店が近いカフェで、
右の女が立って行って、
左の女は、サンドイッチを残したまま、
スマホに夢中になっていた。
私は、背もたれにずるっと身体を倒した。
長くはない足を広げて伸ばして、大の字になった。
高い天井の灯と灯の間、
身体を倒したことで、さらに光から逃れられた。
思い切って頭に貼り付けている帽子を剥がすように取った。
自由を勝ち取った感じ。
ユザワヤ |
部屋の灯りから皮膚を守るために完全遮光の帽子を被っている。
部屋の灯りは、カフェの天井より低いから。
始終頭に載せた帽子は、実にうっとおしい。
ぼんやりをなんとかしたくて、
次のカフェに入った。
今度は、紅茶のソーダを飲んだ。
美味しかった。
深夜のカフェには、十数人の人がいた。
夢中でPCのキーボードを叩く人もいれば、
本を読んでは、考え込む人もいた。
勉強している人もいた。
見渡しているうちに、
だんだん頭が動いてきたような気分になった。
そしてカフェを出た。
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