無口という病気４

誰か良人の口を開けてもらえないだろうか。
隣人に「こんばんは」も言わない。
返事もしない。
電話が鳴っても
玄関のインターフォンが鳴っても
絶対に出ない。
先月、浴室の換気扇が壊れた。
リニューアルと言っても、業者との交渉などやるはずもない。
狭い家の中で、良人は呼びとめられないようにしている。
『私の仕事ではありません。』
『この１０年１円も稼いでいない方のお仕事でしょう。』と言ったわけではないけれど、そんな感じだ。
結局、
発した言葉は「カラス」の一言だけ。
ジェスチャーは、公園の方向を指した。
これらの意味するところは、『私はカラスの行水だから換気扇がなくとも大丈夫だ。長湯の貴女が問題です。貴女は、公園で身体を拭くことにしなさい。』だろうと思う。
たかが換気扇だけれど、乾燥だの、暖房だの付加機能がくっついて、メーカーに問い合わせたら、値段に仰天した。
１円でも安く上げたいと、ホームセンターやら工務店やら電気屋にあったった。見積もりすらなかなか上がってこない。
公園で乾布摩擦のふりをして清拭なんてできやしない。
何せ窓のない浴室だ。
おまけにドラキュラの居場所である居間は、完全遮光のために全ての窓を塞ぎ目張りしているので、昼も夜も窓の開閉はできず、通気が全くないのだ。
湿気はこもる一方だ。
じれる日々。
どうするかと頭を抱えながら良人を見ると、
横になったまま、何やらカチャカチャとクリックし続けている。
覗きこむと、画面は「あんこちゃん爆発」だった。
ブログカウントが上がると機嫌が良いのを知っていたんだな。
複雑な思いだった。

青山フラワーマーケット

ようやく月末に換気扇が付いて、一人慰労会はかぼちゃの日の川崎で。

思いがけず、久々の大倉陶園のカップが嬉しかった。
大阪が本店の丸福珈琲店がこの７月に川崎アゼリアに出店したのだ。スィーツのセットはダイエットのため、ぐっとこらえて、ウインナーコーヒーに。
スィーツこらえた意味がないような選択だ。

とりあえず、体重が３キロ落ちたら、隣の人が食べていた、ドーナツとプリンとパウンドケーキがセットになっていたのを食べたいな。
永遠に食べられない可能性がある。
しかし、確かにこの間のブログカウントの上昇は異常だった。
今はまた元に戻っている。