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2017年10月24日火曜日

嵐のあと



 良人は、珍しく日曜日の晩から出社意欲が湧いていた。
月曜日の出社が実現すれば、記念すべき日になるのだ。
ところが、早朝から、台風による都内鉄道各線の運休が報じられた。
良人は、会社に行くすべを失って、いつもの月曜になった。
結局、一日中パジャマを着ていた。
神奈川を走る相鉄線という私鉄は、車両に落雷が直撃したことによるものか、車両周辺に火花が散り発煙し運転見合せになったそうだ。
48時間ぶりに外に飛び出した。
太陽光をシャットアウトするために、
窓を塞いでしまっているものだから、
強風に揺れる木も、
地面を叩きつける雨の様子も全く見ることはできない。
高い湿度の部屋の中に篭ったままというのは、
息が詰まってどうにも辛いのだ。
既に街路に水溜りはなかった。
歩道には、芸術家がまるで意図して置いたかのように、
飛ばされた木の葉や枝が貼り付いていた。
置地廣場

実は、今だに食欲がない。
高熱で、摂食中枢がやられてしまったのだろうか。
このまま少食になっちまったらどうしようと、
結構真剣に悩んでいる。
1人前がやっとの人生なんて、人生が終わったようなものだ。

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