飯田商事 |
動物病院に当たる 。
都心では1キロと歩かないうちに、
数件の動物病院がある。
ことわざの元の意味は、犬がウロウロ歩くと棒で叩かれるとい う災難を言うらしい。
これだけ動物病院があると、犬も散歩中に、万が一叩かれるようなことがあっても、具合が悪くなっても安心だ。
このような状況で何故、獣医学部が新設されるのかと思う。
加えて、いうまでもなく少子化で、大学経営が厳しい環境にある。
私立大学で定員割れの大学は28年度で257校もある。(日本私立学校振興・共済事業団資料)
文科省には、私立大学経営支援プロジェクトチームなるものも設置されている。
そのプロジェクトチームの資料でも
「平成16年度に入学定員を充足していない私立学校が、大学で約 30%、短期大学で約 40%に上り、また単年度の帰属収入で消費支出をまかなうことのできない学校法人も平成 15年度で約 30%を占めている。」と深刻な経営状況を明らかにしている。
そして、 およそ10年間で、三重中京大、愛知新城大谷大、東京リーガルマインド大、高崎の創造学園大、高知工科大(公立大学へ改変)、静岡文化芸術大(公立大学へ改変)、長岡造形大(公立大学へ改変)、聖トマス大などの大学が事実上、閉校に追いやられているのだ。
こうした中で、私立大学の学部新設が認められたのだ。
都心はともかく、
地方の畜産業に関わる獣医師は不足しているのかもしれない。
しかし、既存の獣医学部で、毎年930名の獣医師が誕生しているのだ。獣医師の偏在は、何かシステムを作らなければ改善しないであろう。
文科省は、長らく獣医学部は充足しているとしていた。
しかし、今回の加計学園獣医学部新設は、アベノミクスの成長戦略の柱となる国家戦略特区として認められ、52年ぶりの獣医学部の新設となった。
しかもその規模は定員160名だ。
既存の大学の最大定員は、麻布獣医大学など120名だ。
獣医師の養成の「特区」での対応は、過去に15回提案され、
ことごとく文科省に却下されてきている。
加計学園の獣医学部に国民の誰もが認める特別な何かがあるのだろうか。
夜のニュース番組の解説者がこの件を「森友問題の相似形」と言った。
首相の腹心の友の経営する学校法人という以外の特別なものが示されないと、
「規制緩和」が単なる仲良しこよしにしか見えない。
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