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2017年5月20日土曜日

ドラキュラの憂鬱



21時間、
毎日、部屋にこもっている。
ドラキュラの家の窓は、
完全に塞いであるので、
夜も開かない。
太陽光を完全に防ぐには、
こうするより他に手がなかったのだ。
21時間という時間に、
改めて驚いて、
これでは、気が滅入っても仕方がないと思った。
 一昨日の雷雨では、流石に雨音が聞こえたけれど、
普段は、外の様子はまるでわからない。
流れる雲とか、
犬が電柱におしっこをしている様子とか、
夜でも、
ベランダでランニングシャツ一枚でタバコを吸うオヤジの姿とか、
煌々と明かりが灯るオフィスの黄色い窓とか
見ることができれば、
多少は気も紛れるだろうに。
今、真っ暗になるのは夜の7時だ。
しかし、7時に家を飛び出すわけにはいかない。
ドラキュラは、養ってもらっているから。
この世にこんなに不味い物があるのかという手料理を作り、
お茶などを出して、
良人を慰労する。
家を出られるのはせいぜい9時だ。
苦々しくも、
日の出も早く、
3時半には、排気口など、多少の隙間を埋める作業をしなければならない。
よって冬のように0時を回ってファミレスに居座ることもできなくなっている。
しかも、まだ序盤だ。
7月6日まで、日の入り時刻は伸び続ける。
先が長くて、
どうなるだろう。





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