雨の昨日、全国に先駆けて東京が桜の開花宣言をした。
東京が全国で最も早い開花となったのは9年ぶりだという。
そんな桜一番乗りの首都東京で、
都政運営は過去に遡って、お粗末な実態が浮き彫りになっている。
注目された石原元都知事の百条委員会の証人喚問では、
石原氏の体調問題から1時間という短い時間内での喚問となった。
その僅か1時間のうち最大会派の自民党都議の時間が30分と半分を占めた。
その貴重な時間内に、自民党都議は、まず石原元都知事を讃え、
小池都知事への非難に多くの時間を割き、焦点となっている豊洲への移転決断の経緯、売主である東京ガスの土壌汚染の対策費用の免除については、ほとんど追求しなかった。
単なる時間稼ぎの場となったのだ。
続く公明党、共産党、都民ファースト、生活者ネットの都議が残り30分を分け合った。
その中で、石原都知事は、豊洲移転は既定路線だったとし、肝心の土壌汚染対策費用の東京ガスの負担免除に関する契約については、「知らなかった。」「浜渦副知事に一任していた。」「報告を受けた記憶はない。」と発言した。
また、石原元都知事が、当時の東京ガスの社長であり石原氏の大学の同窓でもある上原氏との直接会談についても、覚えていないと発言した。
この上原氏との直接会談後に豊洲移転の話が急速に進んだと、当時の市場長らが証言している。
石原元知事は、答弁とは的外れな場面で、
豊洲移転延期を議会に諮らずに決定し、「宙ぶらりん」の状態に費用がかかっている現状に小池都知事を非難する発言を続けた。
豊洲の土壌汚染対策費用を都が青天井で負担し、既に860億円もの巨額の費用負担が生じているにもかかわらず、この瑕疵担保責任免除特約についても小さなことと発言し、(都知事が)興味のあることだけやって何が悪いとも言った。
これより以前、石原氏の腹心であった浜渦元副知事も証人喚問で、記憶にない、知らないを繰り返している。
当時の都幹部との証言の食い違いも生じている。
当時元都知事は、週三回の登庁であったと言われている。
興味のあることと、やるべきことの分別もできない知事を許してきたという側面もある。
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置地廣場 |
かつて、宮崎県のシーガイア視察の際、
記者から公費でヨットレースに出ることについて質問された
石原元都知事は、激昂し、組まれていた予定も全てキャンセルして帰ってしまったことがあった。
その時も「がたがた言われる筋合いはない。来てくれと言うから来てやったんだ。」「君らが悪い。」と報道陣を非難した。
テレビ画面から震撼する空気が伝わって来たことを覚えている。
大東京の元知事を「記憶にありません。」と言う言葉で、
今も許して良いのだろうか。