秋田・湯沢七夕えどうろう |
「無礼だ!」
という言葉に、
いつの時代を生きているのだか一瞬わからなくなった。
刀が抜かれることもなかったけれど、
援軍もなく、
カウンターに立つ若きスタッフが、
ひたすら
「申し訳ありません。」を繰り返した。
カフェの注文カウンターの前で、
激昂していたのは70歳を超えるであろう
お年寄りだった。
その大きな声にカフェ店内は凍りついた。
その客は、ほんの数秒前に、
「ホットコーヒー」と言っていた。
暑いのにホットかと、見やりもせずに思っていた。
しかし、その注文の時にすでに怒っていたようだ。
その客の言いようはこうだ。
入店しようとした時に、スタッフがいなくなった。
客が入店するであろうことは、わかっていたはずだ。
店内は空いていて忙しいというわけではないのに、なぜ、奥に入り、来店客を待たせるのか。
「入ろうとしたら、いなくなったじゃないか!」
「店は空いているじゃないか !」
「無礼だ!」
最後のセリフも「無礼だ!」だった。
直ちに、対応しなかったことが無礼だということらしい。
私の記憶によれば、「ホットコーヒー」というその客の注文の前に、
「フレンチ出ました。」というスタッフの声があった。
おそらくフレンチトーストを出したということを厨房に伝えるべく、注文を聞いてコーヒーを入れるスタッフがカウンターを一瞬離れたのではないかと思う。
青山フラワーマーケット |
カフェは時として、時空を超える。
今時は、クレーマーという。
しかし、怖かった。
隣の男性もパソコンを打つ指が止まって固まっていた。
厨房にいる他のスタッフは、
震えて調理台の下で身を潜めていたのだろうか。
2 件のコメント:
最近は老人による理不尽なクレイムが増えているようですね。
お店側もお客さんに対しては、誤るしかないのでしょうか。
匿名さん
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、
「キレる」感じのクレームは、若者よりお年寄りが
多いように思います。
お爺さんが、唖然とするぐらい号泣するという
手はあったかと思います。
説明などする余地はありませんでしたし、
怒号を遮って説明すれば、
「言い訳するな!」と
火に油を注ぐことになったでしょう。
コメントを投稿