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2016年7月26日火曜日

カフェにて

秋田・湯沢七夕えどうろう

「無礼だ!」
という言葉に、
いつの時代を生きているのだか一瞬わからなくなった。
刀が抜かれることもなかったけれど、
援軍もなく、
カウンターに立つ若きスタッフが、
ひたすら
「申し訳ありません。」を繰り返した。
カフェの注文カウンターの前で、
激昂していたのは70歳を超えるであろう
お年寄りだった。
その大きな声にカフェ店内は凍りついた。
その客は、ほんの数秒前に、
「ホットコーヒー」と言っていた。
暑いのにホットかと、見やりもせずに思っていた。
しかし、その注文の時にすでに怒っていたようだ。
その客の言いようはこうだ。
入店しようとした時に、スタッフがいなくなった。
客が入店するであろうことは、わかっていたはずだ。
店内は空いていて忙しいというわけではないのに、なぜ、奥に入り、来店客を待たせるのか。
「入ろうとしたら、いなくなったじゃないか!」
「店は空いているじゃないか !」
「無礼だ!」
最後のセリフも「無礼だ!」だった。
直ちに、対応しなかったことが無礼だということらしい。
私の記憶によれば、「ホットコーヒー」というその客の注文の前に、
「フレンチ出ました。」というスタッフの声があった。
おそらくフレンチトーストを出したということを厨房に伝えるべく、注文を聞いてコーヒーを入れるスタッフがカウンターを一瞬離れたのではないかと思う。
青山フラワーマーケット
『もの申す!』だな。
カフェは時として、時空を超える。
今時は、クレーマーという。
しかし、怖かった。
隣の男性もパソコンを打つ指が止まって固まっていた。
厨房にいる他のスタッフは、
震えて調理台の下で身を潜めていたのだろうか。



2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

最近は老人による理不尽なクレイムが増えているようですね。
お店側もお客さんに対しては、誤るしかないのでしょうか。

あんこちゃん さんのコメント...

匿名さん
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、
「キレる」感じのクレームは、若者よりお年寄りが
多いように思います。
お爺さんが、唖然とするぐらい号泣するという
手はあったかと思います。
説明などする余地はありませんでしたし、
怒号を遮って説明すれば、
「言い訳するな!」と
火に油を注ぐことになったでしょう。