首根っこを押さえられ、
肩を掴まれて、
痛んで仕方ない。
あの世の人々が私を連れて行こうとしているに違いない。
毎年、この季節は身体がおかしくなって、
昨年は聞いたこともなかった難病を発症した。
難病は二つも要らん。
一つも要らんのに。
この魔の季節の郵便受けに厚い物があった。
地獄への案内本と、地獄の掟なる書物がついに届いたなと私は思った。
やれやれ地獄も容易な世界ではなさそうだなと手に取ると、送り主は閻魔大王ではなく、友人であった。
中身は装丁も素敵な漫画本だった。
コミックと呼ぶべきか、今はその違いがわからないので漫画本としておこう。
私にとって、漫画本はめくるめく世界なのだ。
未知なる世界。
レターパックを開ける時、わくわくしてきた。
何故なら、ウチでは幼少期に漫画本は禁止だったのだ。
ついでに言えば、歌謡番組とかも。
なんとなく黙認されたのは小学生の高学年になってから。
それが尾を引いて、この歳まで真摯に漫画本に向かいあったことがないのだ。
美味しいスィーツをいただくように、楽しみながら味わおうと思ったけれど、あっという間に上巻を読んでしまった。
まだこの世に苦労を忘れて楽しめることがあるんだな。
昨日、亡くなった母が夢に出てきた。
漫画はダメよとは言わなかったけれど、やはり私の病気を心配しているのか明るかった母の表情には憂があった。
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