只今、緊急事態宣言下

「ちょいと、お蕎麦屋さんに先に行って、席をとっておいておくれでないかい。」

婆様みたいなことを私は言った。

暮れるのが早くなったと言っても、ドラキュラである私は未だ夜の７時２０分より前には外に出ることは叶わない。

三度の食事の支度に、ねっとりとした熱さの残る夜の中に買い物に出れば、くたびれ果ててしまう。

洗濯物は山のように積もっている。

 

程なく牛男さんが帰ってきた。

「お蕎麦屋は、もう暖簾を下げていたよ。」

まだ７時だと言うのにお店を閉めたというのは、お客が入らなかったに違いない。

 

東京は目下、緊急事態宣言下にあるのだ。

連休中で検査数が少ないにも関わらず、昨日の東京の新規感染者数は１１２８人と発表された。検査数は僅かに４７９６件だ。 

入院患者数は、７月１日に１５５７人だったのが、あれよあれよという間に２６３８人になってしまった。５日連続で新規感染者数は１０００人超えている。この調子で感染者数が増加して行けば、確保病床５９６７床があっという間に埋まってしまうだろう。

ステージで言えば、２０日時点で最も深刻なステージ４にあるのだ。

海外の方には、オリンピックがどう映っているかわからないけれど、日本では、まだワクチンの接種率も全体の２０パーセントに及んでいないのだ。

 

この国のトップは、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで東京オリパラ開催について「挑戦するのが政府の役割だ」と述べたそうだ。

挑戦台にされている、国民、都民、少なくとも私は怯えている。 

毎日、明日が怖い。

今日の東京の最高気温は３３度、最低気温は２４度、晴れ時々曇りの予報です。

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