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2021年7月14日水曜日

オイル焼き

ビーフインロス


蓑虫のようにタオルケットに包まって
2日半 ばかり安静に努めていた。
日曜日に久々に蛋白尿が出てしまったのだ。
慌てふためいて、しまっていた採尿カップを出して、
ケチケチと尿試験紙を縦に半分カットして蓄えた。
絶望沼は底なしだ。
そう感じたのは私だけではなく、闘病生活16年に伴走させられている良人(りょうじん)もそうであった。
小さな声で「私の人生を返して欲しい」と牛男が力なく言った。

 
新たにこの春発病してしまった別の難病のせいで、永年服用していたアレグラを止めざるを得なくなった。
アレグラを止めることで身体に支障が出るのではと案じてはいた。
この度仕方なく、小児量の半量だけアレグラを服用したのも良かったのか、蛋白尿は止まって、家の中の重い空気が少し流れた。
牛男は、私の具合が深刻になったこの春から、パルシステムの冷凍お弁当を月曜と火曜の二日分注文するようになり、それを食する体制でいる。
私は、閉店を2週間延ばしたハンバーグ屋さんに電話をして、連日常連客が押し寄せるお店の閉店時間寸前に入れてもらった。

 
コロナ対策でハンバーグ屋さんも、客席の半分もお客を入れることができないでいるから、昨夜も幾人も断ったと言う話だった。
注文したのは、初めてのオイル焼きだ。
残業中のビジネスパーソンの殆どがこれを注文していた。
私は、オイルという文字にカロリーの高さを憂い、男性ばかりが注文するからニンニクに漬けたお肉を焼いたスタミナ食に違いないと勝手に想像していた。
ところが先週、常連の家族が、「なんでこれまでコレを食べなかったんだ!」とお店が店じまいとなる間際に美味しさを知ったのが大層惜しまれるようで、店主にタレを通販したらどうだとまで言っていた。
蓑虫の私は、蛋白尿が止まると、そのオイル焼きのことが気になって、頭の中がオイル焼き、オイル焼きでいっぱいになって行った。


 私はこれまで大抵はおろしハンバーグのキングサイズを食していた。
ふわふわのハンバーグは、やはりファミレスのハンバーグと違って飽きることのない美味しさだった。 
オイル焼きのタレについて、店主が玉ねぎ、お酢、パプリカなどが入っているものだと説明してくれた。

 
いざ食して見ると確かにタレが美味だ。
お酢が入っているというから、尖った酸味を想像していたけれど、想像と違ってまろやかな奥深い味だった。
なるほど生姜焼きとは違うし、がっつりしたスタミナ系のお味でもなく家では作れないような味だった。
返す返すも閉店が残念だ。 
果たして最終日は入店できるだろうか。
そうして店主が常連客の小さかった子供が成人した話など、昔話をしながらお勘定を受け取る。
こうしたお別れの光景が、コロナ禍であちこちで起きているのだろう。
 

 
私が帰った後は、トマトを潰してデミグラスソースの仕込みに入るということだった。
牛男が美味しいと言って食していたカントリーステーキのデミソースも自家製であったとは。
これも初めて知った。

 
今日の東京の最高気温は27度、最低気温は23度、曇り時々雨の予報です。

本日も当ブログにご来訪いただきましてありがとうございました。


 

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