病院が遠かった。
渋滞だったわけではない。
幸いに雨も降り出していた。
首に巻きつけた保冷剤は、蒸れる完全遮光の上着の熱さも塩梅よく凌いでくれていた。
タクシーの運転手さんも、いくつかある白い巨塔のうちの1つを直ちにに理解してくれた。
けれど、進めど進めど病院にたどり着かない。
紫外線から皮膚や目を守るために顔は完全遮光の覆いでおおっているから、どこを走っているかはわからない。
近頃のコロナの感染拡大のニュースも、
我が身の具合が悪いと、
高い空を走りすぎる知らない雲のようで心に留まらない。
隣の県の病院に向かっているわけではあるまいな。
具合が悪いと病院への道のりも果てしなく長く感じる。
地球 琉球ガラス 置地廣場 |
診察が終わって、
辺りが群青色に染まるのをじっと病院内で待った。
医師の言葉を何度も噛み締めた。
それは全て合点のいくものだった。
経験が豊富で引き出しが多くある医師を改めて有り難く思った日となりました。
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