この何年か夢中になって見るテレビドラマがなかった。
TBSで0時から放送された『小さな神たちの祭り』に久々に見入ってしまった。
昨日は住まう東京でも14時46分、10年前に東日本大震災が起きた時刻に防災無線の放送が入り、犠牲になった方々に黙祷を捧げた。
ドラマは、震災の津波で家族をいっぺんに5人も失った青年が主人公だ。
両親、祖父母、弟、そして愛犬をも失い、東京で大学生活を送っていた主人公だけが家族の中で難を免れた。
大事な人を失って、生きている意味がないと苦悩する主人公が、
何年経っても前を向いては生きて行けないでいる。
東京で就職もするが、社内旅行の温泉も家族が冷たい海の水に浸かって亡くなったことを思うと、自分だけが温かい温泉に入れるものかと断るのだ。
会社を辞めて東北に帰り、彼の気持ちに寄り添ってくれる彼女もできるけれど、それでも、心は埋まらない。
そんなある日、夕暮れ時の、あの世とこの世の境目から、亡くなったはずの祖父のタクシーに祖父とは気づかず乗り込んで、あの世に到着する。
あの世では、震災前のまま、家族が明るく、苺作りを営んで暮らしている。家族と食卓を囲んでカレーを食べる。愛犬も傍にいる。
何故か、この世でのこと、彼女がいることも家族は知っていた。家族は幸せに生きて欲しいと彼に言う。
そうして彼は、前を向く気持ちになっていく。
大事な人を失う途轍もない喪失感、自の幸せも大事な人があってこそと思う気持ちが痛いほど伝わってきた。
1年経っても、10年経っても、心にできた空洞が、様々な思い出でまた大きく空いて行く感じさえするものだ。
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