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2019年10月13日日曜日

台風19号のあと



 午前2時半、男性二人が撮影している姿の先に、
折れた木があった。
真っ暗で私は気がつかないでいた。
某会社のオフィスビルの正面の立派な木が途中で痛々しく生木をむきだしていた。
木を撮影したいてのはおそらくビルのガードマンであろう。
大型台風は、神奈川、栃木、茨城、長野などの5つのダムで放流を要し、東京では多摩川が氾濫し、二子玉川駅付近も昨夜9時過ぎには冠水した。
今は、東北地方が豪雨強風にさらされている。


ガラ携にも緊急エリアメールが届いたりして、眠れなかった私は、覚悟していた停電もなく、強風や豪雨がぱたりと止んだのちはうたた寝をしてしまった。
そして午前2時に、良人の部屋の窓から外の様子を伺うように覗くと白いものが目に入った。
建築中のホテルもあって、外出するつもりはなかったけれど、
恐る恐る外に出た。
丁度新聞配達員が自転車でやって来た。
散乱する木々から目を離して見上げると、白いのは月だった。
それまでの嵐が嘘のように、しれっとしたような月の姿だ。


歩みを進めるとまだ青い葉が敷き詰められたように散っていた。



ファミレスは、どこもガラスに内側から段ボールを貼り付けられて、破損を防いでいた。
 こちらの店舗は店内に灯があったけれど、真っ暗な店舗もあった。
コンビニがどこも営業していない光景を見るは初めてのことだ。

 昨朝4時に暖かいカフェラテを提供してくれたマックも休業だ。

どんな時も歯を食いしばって営業してくれていた24時間営業のスーパーマーケットもしかり。



こちらは、ガラスが割れてしまったのか。
いつも居酒屋の前に留まっているチャイルドシートを載せた自転車は当然のように倒れていた。









人の気配のない建設中のホテルでは、
最上階に溜まった雨水が床面を叩く音ではないだろうか。
トンテンカントンテンカンと音が鳴っていた。







 白いものを見るだけのつもりがつい歩みを進めてしまった。
この間、走る車は一台もなかった。
街はもぬけの殻という感じだ。

喉も乾いてきて、どこか一軒ぐらいはコンビニが営業してはいないかと思っていると、開いてて良かったというコンビニがあった。
聞けばずっと営業していたという。

おにぎりなどはなかったけれど、飲料はぎっしり並んでいた。
そして、3時半を回ると真っ暗だったコンビニにも店内に灯が点いて、商品を積んだトラックの姿もあった。

 今回は事前に台風の威力が大きいことは随分と伝えられたけれど、自然災害には備えようもないことが多々起こって亡くなった方々の報道もある。
まだ台風は北上中、被害の拡大が案じられる。




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