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2019年9月14日土曜日

カフェにて



 十五夜のカフェは、
先行きの景気を映すように、がらんと静まり返っていた。
24、5歳だろうか、男がテーブルを二つ寄せて占拠していたけれど、それも気にならいぐらい、人がいなかった。
男は、オレンジ色のポロシャツにジャージ、靴は青々としたビニールの四角い穴が幾つも空いたクロッグシューズを履いて、脚を大きく開いていた。
そして眉間にしわを寄せて、手に持った印刷物をずっと睨みつけるように読んでいた。
時々右の足を折って、左の膝にのせたりしていたけれど、印刷物の文字を追い続けていた。
もうじき閉店だと言う時になって、
「あーあ、疲れたぁ〜」と小さくはない男の声が店内に響いた。
カウンターや調理台を気忙しく拭いていたスタッフの耳にもその声は届いていただろう。


 疲れた先にあるものが、何か喜びに繋がるような、得るものがあることもある。
けれど男のその声は、疲れた先に、暗雲が晴れないものを感じた。
このところ、私に起こったごたごたが、そうだから知らない他人の声がそんなふうに聞こえたのかもしれない。
今日の東京の最高気温は27度、最低気温は20度、曇り時々晴れの予報です。
今夜の月は、今年一番小さく見える満月だそうです。
今夜も夜空を見上げましょう。

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