今月9日、いわゆる森友学園問題で、佐川元理財局長をはじめとする財務省幹部10人について、大阪地検特捜部は再び全員を不起訴処分とした。
これより前、検察審が「不起訴不当」と議決し、「起訴相当」ではなかったため、捜査が終結することとなってしまった。
なぜ、国有地が8億2千万円もの大幅な値引きで売却されたのか。
根拠となるごみ撤去費の算出根拠は曖昧で、この点について会計検査院も指摘している。値引き根拠となった現地写真について、施工業者はゴミの深さを意識せずに撮影したと明らかにしている。
なぜ、異例の10年の分割払いでの売買契約となったのか。
なぜ、決裁文書を改ざんしたのか。
なぜ、財務局が学園側との交渉記録を破棄したのか。
これらに関して、明らかになった事実と佐川氏の国会答弁が整合しないことは、40回以上の「証言拒否」によってほったらかされてしまった。
わずかな例を挙げれば、
国有地の売却額については、2016年3月に約1億3200万〜1億6千万円の範囲内なら折り合えると、近畿財務局と学園で確認していたことも2017年12月に明らかになっている。
この価格交渉については、同年3月の国会では佐川氏が否定していた。
昨年の参院決算委員会では、財務省が、改ざん前の文書に安倍首相の昭恵夫人の記載があることは当時の理財局長であった佐川氏が認識していたと明らかにしている。これを答弁した太田前理財局長は、「総務課長が改ざん前文書を把握していたと説明し、佐川局長に報告したと言っている」と述べているのだ。
そして今月16日、この総務課長、当時の財務相理財局総務課長は、駐英公使に栄転した。