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2019年8月26日月曜日

和蘭豆(ランズ)ナイト



 夏の終わりの日曜の夜、
私は電車に乗ってちょっとお出かけした。
家では、憂鬱の虫に押しつぶされて良人が転がったままだった。


 先週誕生日を迎えた牛男は、お祝いのケーキを食べられずにいる。
牛男は、ケーキ屋に酷くこだわっている。
誕生日にはそのケーキ屋さんが夏休みだったのだ。
そして、日曜の憂鬱を薄めるように、夕方ケーキ屋に出かけた牛男は、がっくりと肩を落として帰宅した。
今度は、ケーキがどれも売り切れだったというのだ。
牛男の日曜の憂鬱は一層濃くなってしまった。


そんな牛男には、申し訳ないぐらい不味い夕食を作って私は家を出た。
夏の終わりに、買い足したいものがあったのだ。
それは、UVカットのTシャツや肌着だ。
なあに私などは、光線過敏の症状が重いので100%のUVカットのものでなければ、太陽の下にちらっとでも出ることはできない。
けれど、室内の白熱灯の照明ならば、UVカット90%程度でそれなりに肌をガードできるのだ。
私が365日必要とする、UVカットのものは、世間では大概は夏場しか売っていない。
だからいつもこの時期に、私はUVカットのストッキングやTシャツを買い回るのだ。






思い通りのものを値下げ価格で購入することができた。
安堵して、予定どおり蒲田駅前の和蘭豆に入った。
頭上が柱で、ライトのない私の指定席が空いていたこともあって、アイスコーヒーだけのつもりが、たらことポテトのグラタンセットを注文してしまった。
レタスが光線過敏の症状をぐっと重くするので、サラダにレタスを抜いて欲しいとお願いしたら、白い器に綺麗に映える赤いトマトのスライスにしてくれた。


たらことポテトのグラタンは、素直に美味しかった。
向かいの席では、常連客がケーキと氷いちごを食べていた。
そういう甘味のダブルということもありか、とアイスコーヒーを堪能しながら深く感心してしまった。


 帰宅すると良人の部屋は既に灯が消されていた。
日曜日に、有頂天の人っているものでしょうか?
大なり小なり、ミーンミンミンと夏のおしまいに蝉が泣き続けるように、泣いているものではありませんかね。
今日の東京の最高気温は、30度、最低気温は23度、晴れ時々雨の予報です。
今週もミンミンとどうにかやってまいりましょう。

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