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2018年7月4日水曜日

電車に乗った



昨夜、電車に乗った。
郵便局に行くためだ。
真っ暗にならなければ外出できないので、
日の入りの早い冬であっても、
私は、夜も営業している昔の郵便局本局まで行かなければならない。
夏至を過ぎた今、支障なく外出できるのは夜の7時45分だ。


 保健所に難病認定更新手続きの書類を速達で送らなければならなかった。
締め切りは先月末だった。
手続きに必要な医師の診断書のようなものが、月末になってもできていなかったのだ。
医師も多忙を極めるのだろう。
出来上がり次第自宅に書留で郵送してもらう手はずとなった。
診断書のような臨床検査票の用紙が今年は、何枚にも及ぶものとなって、取り揃えた書類は分厚いものとなった。
保健所宛の封書を剥き出しでかかえて電車に乗る訳にも行かず、
かつて元気に働いていた時の出張カバンを引っ張り出して入れた。
封書をすっぽり呑み込んだようなカバンは大きかった。
2泊3日の出張に愛用していたものだ。
元気だった時が、前世のように遠い昔になってしまった。
郵便局のゆうゆう窓口は、ゆうゆうどころではなかった。
長蛇の列、その上にはご親切に強い光の直管タイプのLEDがガンガンと光っていた。
書類を入れるには大き過ぎた出張カバンだったけれど、それを頭に掲げたりして凌ぐしかなかった。
革は、紫外線を透過しないと言う特性がある。
郵便局では、50分近く時間を費やした。
局内に貼られたヘルプカードのポスターが目に止まった。


 帰途、電車の中の優先席には男性が3人並んで座っていた。
車内の蛍光管を防ぐために、カバンを頭に掲げれば、
つり革に捕まることができない。
郵便局で長く浴びた光の打撃でどうにもかったるくなってしまっていた。
悩ましい事態となった。
座る3人の男性は仕事帰りと言う感じで、1人は眠り、2人はスマホに夢中だ。
スマホに夢中の端の1人 の鼻ヅラに手提げに付けてあるヘルプマークをつけてみた。しかし全くの無反応だった。
真ん中の、オタク風の銀縁の眼鏡の若い男は挑発的だった。
私の手にする杖をしげしげと睨んで、不敵に笑みを浮かべながら、イヤホンを耳に押し入れた。
車内トラブルは、こう言うことで始まるのかもしれないな。
クワバラクワバラ、
ヘルプマークを座る人の鼻先につけるのは止めよう。


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