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2018年7月20日金曜日

美容室巡り残酷物語



 ××ビル2階、焼肉屋の上の隠れ家風サロンです。
ネットの情報を元に訪ねると、
その美容室は、営業時間を過ぎたのか、
もはや廃業しているのかわからない。
古い小さなビルにはエレベーターはなく
細い階段は暗かった。
階段を上りきって左手、道路に面した一室の扉のガラスからは灯が溢れて、酔った人の声や笑い声が響いていた。
下から見上げて、灯が見えたのは居酒屋だったのだ。
どうやら美容室はその向かいのようだ。
けれどその扉は固く閉ざされていた。
さっきまで営業していたような気配がない。
1階の郵便受けには、美容室の名前があったけれど、
文字が剥げていてよく見えない。


夜な夜な街を歩き回っている。
先週から。
歩幅を狭く、そっと足を運んでも、
汗は背中から、脚から流れ続ける。
20時を回っても、
昼間の熱を放出し続ける都会の夜の街の空気は熱い。
自由が丘の美容室には変わらずお世話になっているけれど、
ちょこちょこ電車に乗って行けるわけではない。
自宅から徒歩15分の住宅街で、私の事情を理解して夜にやってくれていた美容室があった。
美容室というより、1人の美容師さんが特別に対応してくれていたのだ。
かれこれ7年近くお世話になっただろうか。
その美容師さんからもう夜はできなくなったと告げられたのだ。
その理由は結婚を期に遠くに住まうことになったからというのだ。聞けばなるほど、通勤だけで1時間半は優にかかる。
夜の9時にお店を出れば、自宅に着くのは0時近くだ。
それゆえ、美容室の受付時間を午後4時までにするということだった。


  マンションの外階段を上がった2階だと記されていた。
その美容室は、ネットの情報ランクでは上位になっているけれど、先週も外階段の上り口には鎖がかかっていた。
地上から見る限り、窓のブラインドも降りたままで灯もない。
夜の8時は微妙な時間だ。
美容室の客も帰り、スタッフも後片付けをして帰ったのか。
でも駅から5分とかからない繁華街近くで、毎週静まり返っているというのはやはり廃業なのか。
今時、美容室探しなんてネットで簡単だと思うかもしれない。
けれど、私の場合は、夜営業で、室内の灯もスポットで点いているところではないと駄目なのだ。
皮膚は素肌だと微量な紫外線に20秒当たり続けただけで火傷になる。眼のダメージはそれ以上だ。瞳が黒いこと、そもそも眼は光を取り込むように出来ているからと眼科医に言われている。
眼のダメージが先月からはっきりと辛くなってきてしまった。
永年余分に受けた光の打撃だろうと思う。PCにもこれまでのように向かっていられなくなっている。
美容室の情報について、ざっとネットで調べて、営業時間の交渉や照明の具合は実際に見て、聞いて確かめて見なければならない。飾り棚に置いてあるランプなどがあれば、それも消灯することをお願いしなければならない。横からの光は、顔や眼を直撃するから。
 果てしない美容室巡りが熱い夜に続く。



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