和蘭豆（らんず）で癒す

絞られた。
返す言葉はなかった。

「すみません。」
と、言ってうなだれるだけの私だった。

この歳
２８歳にもなって人に怒られるって、
辛くて惨めなものだ。
無銭飲食でしょっぴかれたような感じ。
お花屋さんに、写真撮影を怒られたのだ。

それから一晩が過ぎた。
いつものカフェでは、
とても立ち直れそうもなかった。
赤の女が、赤い水着で、アイスコーヒーを飲んでいれば別だけれど。

思い切って、電車に乗って、久々に蒲田の和蘭豆まで行った。
台風が過ぎて、蒸し暑い夜だった。

生いちごで作ったと言ういちごミルクのかき氷を食べてみた。
立派なかき氷は、中学１年生の時以来だ。
お水を固めて砕いて、砂糖水をかけた食べ物にお金を払うなんてと思うようになってから食べなくなってしまっていた。
でも、今年の夏が、あまりに暑いものだから、
ついに立派なかき氷が食べたくなっていたのだ。

食べている時は、
いつも以上に無心になった。
ただの赤いお水にさせてたまるものかという思いだった。

おかげで、
いやーな気持ちが減った。

おまけに、
カートに大人しく乗った
猫ちゃんのお散歩にも出くわした。
なあに、癒してくれるのは、お花だけじゃないわい。

今日の東京は、
最高気温３７度、最低気温２７度、晴れ時々曇りの予報です。
驚異的な暑さになるようです。
時間がありましたら、是非かき氷をどうぞ。