置地廣場 |
カフェから帰ると、
無口という病気の良人が故郷から帰っていた。
無口という病気だから、
故郷でどんなふうに3日間を過ごしたか語ることはない。
それは、ペットホテルに預けた犬が、
ホテルでどんな食事が提供されて、
ペットシッターが何をして遊んでくれたかを、
語ることがないのと全く同じだ。
持たされたお土産で、
全て推測するしかないのだ。
しかし、お土産で3日間の全てを推測することは難しく、
半分以上は私の妄想になる。
テーブルの上に置かれていたのは、
尾島と記された箱だ。
ママが串カツを揚げなくなってから、
この尾島というお店の串カツやメンチコロッケを持たされるようになった。
大食いの嫁が、まず直ちに食べられる品をという 配慮だろうか。
冷蔵庫には、華正楼の焼き豚と春巻きが入っていた。
とりあえず、この2品で、2人で横浜に出たことが推測される。
ところが今回、肉塊がない。
どうしたことか。
気前の良い義母は、ケチ嫁と嘆きつつも、
大事な息子が飢えて苦しまないように、いつも肉塊も持たせてくれる。
これについては、
「肉買ってくれても、鬼嫁が料理なんかしないからいらないよ!」と良人が余計なことを言ったのではないだろうか。
確かに、前々回もらったカレーシチュー用のお肉は冷凍したまま残っている。
じーっと煮込むことを考えると、気絶しそうになるから、
そのままなのだ。
しかし、スライスされた牛肉は、私が真夜中に焼いて堪能している。
床に落ちていたのは、送付伝票だ。
どうやら明日、千疋屋のジュースが届くらしい。
海老で鯛を釣るが如く、桃でジュースを釣った感じだ。
これが、高野のジュースだと、横浜より南の百貨店ということなのだ。
小さな老婆と百貫デブの息子が百貨店を上へ行ったり、下へ行ったり。
息子を伴わなくては、出かけられなくなった義母は、
久々の百貨店にはしゃいでいたものの、疲れて、
ランチタイム。
小食な義母は、和御膳のほとんどを残し、結局デブ息子が二人前を食べる光景が浮かんでくる。
ここで「牛男ちゃん、痩せなきゃダメよ。」と義母から一言 言ってもらいたいものだ。
私だって、母が存命だった時は、「あんこちゃん、もう止めなさい。」と食べ続けていると母に注意されたものだ。
良人の髪が、
なくなったかと思うほど刈られていたので、
馴染みの床屋さんにも行っている。
これは、初日だろうか。
今回、気になっていたこともあった。
いざ帰郷の朝、
ワイシャツが、パツンパツンで、ボタンが弾けて飛びそうだったのだ。
「まあ、あんこは、牛男ちゃんのお洋服も買わないのね。自分のは買うくせに!」とママが怒るので、着替えて欲しいと、私は声を枯らして言った。
けれど、良人は私の言うことなど聞かず、
少々息を止めて家を出て行ってしまったのだ。
ママは、キツキツの洋服を見て「牛男ちゃんが不憫だわ〜、」と嘆いただろうか。
「料理はまるでできないで、食べるだけの使えない嫁だわ。」と呟いただろうか。
嫁がヘルパーさんにお世話になっていて、
高齢の義母のお世話にも出かけられないのだけれど、
義母が嫌味一つ言わないで「ごめんね、あんこちゃんに何もしてあげられないで。」と電話で言ってくれる。私は義母にも心から感謝している。
東京は、雨降りが続いております。
今日も雨時々曇り、最高気温25度、最低気温23度の予報です。傘を持ち歩くのが面倒ですね。
今日からは電車も混むでしょうか。
お互い頑張って参りましょう。
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