無口という病気の良人が、
ふらつきがひどく
しばらく会社を休んでいる。
それで、ドラキュラは昼間ぐっすり眠れない日々だ。
昨日の起床は遅れに遅れて
18時半となった。
既に真っ暗なので、
太陽光が入る良人の部屋に入ると、
良人が珍しく喋った。
「明日は会社に行かなければならない。
検便を持って行く日だった。」
待てよ、しばらく会社を休んでいるから、検便の容器はないはずだ。
尋ねたところで、返事はない。
空瓶に入れるのか、タッパーに入れるのか。
いやな予感。
無性に紅茶が飲みたくなって、
夕食の支度もそっちの気で、
ゆったりと紅茶なんぞをいただいていると、
ふらふらの良人が、仁王立で、その小さな目が、少し怒っているようだった。
検便イコール健康診断だから、夕食は8時までに済ませなければならないのだろう。
良人は無口という病気なので、
仕方なく代わって言葉にした。
「8時までに食事を終えなければなりません。紅茶など飲んでいないで、食事の支度にかかってください。」
良人は頷いた。
容器は、以前に配布されていたのか、
いそいそ何かを抱えてトイレに入った。
やれやれだ。
実は、
1年前に、大事なべんちゃんを忘れて、
置いて行ってしまったのだ。
我はドラキュラ、
太陽のもと、
「検便忘れてるわよ!」と窓から叫ぶこともできなけりゃ、
べんちゃんを持って追いかけることもできなし、
電車に乗って、会社にべんちゃんを届けることもできないのだ。
べんちゃん忘れは、2回目だった。
1回目は、ゴミ置場から戻ってきた。
その時は、直ぐに気がついて、携帯を鳴らして難なきを得たのだ。
それがゆえに、良人自ら、わざわざ玄関にべんちゃんを置いたのに。
玄関にべんちゃんを置いておくというのは、
いい運を逃しそうで 嫌なのだけれど、そうも言っていられない。
まさかの2回目は、携帯で呼び出そうにも既に電車内か、留守電だった。
メールを読んだ良人は、
会社からべんちゃんを取りに帰宅した。
会社が近かったので、取りに帰ることもできた。
今は会社まで遠く、2時間近くかかる。
べんちゃんを忘れたらどうするのかな。
ふらつきがひどくて、
出社できなかった場合、
そのべんちゃんは宅急便か。
果たしてどうなるのかな。
2 件のコメント:
検便を宅急便等で受け取ることはしていません。
匿名さん
コメント投稿ありがとうございます。
お教えくださってありがとうございました。
(~_~;)
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