どこの誰だか知らないけれど
こういう事、困っちゃうんだな。
光線過敏の症状の重いドラキュラの通院日
こなせばしばらく夏休みとなる通院だった。
午前3時の雷鳴が嘘のように
カラッと晴れた午前7時半の出陣は、誠に気の重いものとなった。
こなした夜には、ザッハトルテを3個食べて、ドラキュラの祝杯をと夢描いていたけれど、そんな体力も削がれてしまった。
通院スタートの、行きのタクシーは初めて笑い転げた。
闘病10年、おそらくお世話になったドライバーは延べ300人を優に超えるだろう。
昨日は、コメディアンドライバーだった。
いつも乗り込む時に、差し込める太陽光を防ぐのにタクシー会社の名前など見る余裕はない。
乗ってから会社名を尋ねると、地元のタクシー会社のうちの一つのS社だと言う。
「S社ってO社と同じ経営者なんだってね。よくテレビに出てくる社長よね。」と言うと
コメディアンドライバーは、
「そうそう、O社もだけどM社もそうなんだよ。ヒェー、ヒェー、ヒェー」と笑って教えてくれる。
「太陽に当たれないんじゃ、昼間は外出れないの?
ヒェー、ヒェー、ヒェー」とまた笑う。
年の頃は70歳近いだろうか?
林家パー子さんのように、ヒェー、ヒェー、ヒェーと笑いが入るのだ。
大学病院の場所は 、わかっているけれど、行く先の建物は不確かだと言う。
なぜなら普段のテリトリーは丸の内界隈なのだと。
タクシー会社のS社とO社が経営者が同じなのは、規制緩和でタクシー台数が増えて逆に経営困難となって合併したのだろうと勝手に推測していた。
「違うよ。旦那が偉くなっちゃって、二足の草鞋が禁止されていて、奥さんが3社全ての社長になったのよ、 ヒェー、ヒェー、ヒェー」
それを聞いて、じゃ代議士にでもなったのね、と尋ねると
「違うよ、 ヒェー、ヒェー、ヒェー、公的なところヒェー、ヒェー、ヒェー」とまた笑うタクシードライバーだった。
国交省か経産省の独立行政法人かと思ったら、どうやら厚労省らしい。
社長の名前を尋ねると
「社長の名前は知らねぇんだ、 ヒェー、ヒェー、ヒェー」
「社長の名前知っていても、給料上がるわけじゃないもんね。」と言うと
「そうだよ! ヒェー、ヒェー、ヒェー」
「お客さん、今日はステップアップしたね、M社も同じ経営者だって知ってさ、経営者(の配偶者)は堅い職業だって知ってさ〜 ヒェー、ヒェー、ヒェー、」
「うちの会社に安心したろ、ヒェー、ヒェー、ヒェー、」
「いつも丸の内のビジネスマンを、こう やって笑わせているの?コメデイィアンになれるわよ。吉本興業の。」
「よくお客さんに言われるよ、運転手さん、道を間違えたねって!」
「 ヒェー、ヒェー、ヒェー、」
最後は『落ち』までついていた。
首がそっくり変えるほどの大きな保冷剤も行きは効果的に働いて滑り出しは好調だった。
眼科の受診も一番で、9時には診察も終了していた。しかし、皮膚科で待った1時間が長かった。
まあ、体力が回復すれば、しばしの通院苦からの解放の喜びが湧いてくるだろう。
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