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2015年2月7日土曜日

足元に春、頭も春

今週火曜日の寒い夜の通院帰りに、商店街でスリッパを買った。
友人に写メを送ると、
「派手!」と返信がきた。
派手???
どこがじゃ、普通よ、と思う私だったけれど、ふと考えてみた。
そうか、色はショッキングピンクだしね。
普段、暗い部屋に篭っていて、明るいモノを求めてしまうのか。
いや、違うな。
本来はこういう感じが大好きなのだ。
ピンクのコートにピンクのブーツを履いて、
頭の帽子には造花や生花やらをぎっしり付けて、
お花のついたランプの傘みたいな帽子を被って歩きたいのだ。
そうそう、かつて健康だった10年以上前に横浜西口のダイヤモンド地下街で3回ほど遭遇した、金魚鉢を頭にぶるさげたおじさんの感じだ。
モスバーガー於
 金魚鉢の中の金魚は生きていて、ひらひらおじさんの頭の上を泳いでいた。
横浜が遠くなって、お見かけすることもなくなっていたら、昨年おじさんがテレビに映った。なんでもお手製のその金魚鉢やらがついた帽子が海外でも高く評価されて、フランスで表彰されるので渡仏するとの事でもあった。
置地廣場於
私は植木鉢を頭に載せたおばさんと呼ばれたいわけではないけれど、誰の目も気にしなければそんな格好で歩きたいというのが本当だろう。
しかし、亡き母が、死を前に言った。
「死んで後、お前が突拍子もない格好で街を歩くかと思うと死んでも死にきれない。」と。
心にぐさっときた。
私は、足の先から頭まで、つまり靴、洋服、バッグ、帽子全て母に選んでもらっていたのだ。出張鞄まで母の見立てだった。
今回、スリッパを買うに当たっては、1回だけ背中の母に問うてみた。
普段、洋服やバッグを買う時は、あの世の母に20回は、問いかける。
「派手?」「おかしい?」
そして、コートはグレー、靴は黒だ。
昨夜も木枯らし吹いて街はまだまだ冬
いつか反動が出なければいいなと思っている。



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