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2019年11月10日日曜日

一の酉



 しんみりとした晩秋の夜の1人歩きは侘しいものだ。
一昨夜は一の酉だと言うので、賑わう人々や華やかな熊手をどうしても見たくなった。


出かければ、やはり温かな一コマも見ることができた。


立派な熊手を買ったご家族、総勢6人だっただろうか。
熊手屋さんのベテランが「商売繁盛 家内安全 無病息災」と家族一人ひとりに火打ち石を強く打った。
そしてお母さんと思われる女性のところで、
ベテランさんは、流暢に続けて「はい!、ワンちゃんも病気しないように」と言って石をカチカチと打った。
小さいけれど大事な家族の1人が抱きかかえられていたのだ。
これにはご家族ご一同様も大喜び。


ワンちゃんは『意味不明』と思ったかもしれないけれど、
ご家族の切なる願いに違いないのだ。


神社に向かう通りには、屋台がずらりと並んで、
はしゃぐ子供、制服姿が眩しい学生達、ちょっと疲れた感じの仕事帰りの人、お年寄りでごった返していた。
そんな中、一際大きな熊手を挙げた一連の人が通った。
一番高価な熊手であろう、それを撮影する人だかりもできた。
お札にはイノシシが描かれているので、今年の熊手を納めて、新しい年に向けて立派な熊手をこれから買いに行くのだろう。


さて、屋台の中で目を引いたのは、チーズハットグだ。
おそらく、この地の酉の市では初登場だろうと思う。
ザクザクの衣の中には伸びるチーズが入っていて、根元にはソーセージ が入っているらしい。
これを求める人の列は長かった。


屋台は、お好み焼き、大判焼き、ハッカ、水飴、りんご飴、焼きとうもろこしなど昔からの定番もあるけれど、流行りのものもある。
昨年あたりは、チキンステーキの屋台がやたらと目に止まった。
その前は、じゃがバター、ケバブ、シャーピンに遡る。
勿論、それらの屋台は今年も1、2軒は出店している。


今年は二の酉までだからちょっと寂しい。
夜道しか歩くことができなくなって、
この季節の小春日和も味わうことができなくなった私は、
毎日が酉の市であって欲しいと思ったりするのです。


 今年は、こんな変わった熊手を見つけました。


御所車の熊手は、もはや熊手とは呼ばないかもしれない。
こちらも、もはや開運セット。



金曜日の夜の酉の市は、
仕事帰りの人が「お疲れ様!」と言い合う光景も多く見られました。

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