タンスの片隅にいつも貴女が眠っていることで、
私の心は潤っていた。
いてくれるだけでいい、そんな存在だった。
それは、ベージュのニットの七分袖の春物のセーターだ。
今年は、突然春が猛ダッシュでやって来たものだから、
七分袖のそれは丁度いいかもと 着てみた。
鏡に写った自らの姿は受け入れ難いものだった。
ニットの網目が必死にこらえて繋いだ手を精一杯広げている。
本体は人間じゃない。
なまこ星人が網にかかった感じだ。
カツ丼と天丼を一緒に食べるとか、
ハンバーグにライスにドリアとか、
つまり2人前、3人前の食事を摂ることはしていない。
カツ丼ならカツ丼だけと、人並みの量の食事だ。
なのに何故、私は大きく成長したのだろうか。
もしかすると、カツ丼という選択がもはや許されないのだろうか。
愛するセーターには別れを告げた。
ベージュでニットというのは素材的にも、
室内の灯りをも素肌にダイレクトに通すから。
タンスにはぽっかり隙間ができた。
でも食べて寂しさを埋めるわけにも行かなくなってしまった。
今日の東京の最高気温は17度、最低気温は12度、晴れ後曇りの予報です。
今週も後半戦です。
お互い頑張りましょう。
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