今週は、心が酷く疲れてしまった。
神奈川県相模原市の障害者施設で19人の障害者の方々が、刺殺されるという卑劣な事件が起きた。
犯人は、この施設に職員として今年2月まで勤務していた人物だった。
朝の情報番組でコメンテーターの一人が、このような事件を起こした犯人について、その犯人の心の中、どういう経緯でこう言う人間になったかなども考えたくもないと言い放っていた。
考えるのも苦々しいという感じで、憤っていた。
ビジネス、リスク、コンプライアンス、コミュニケーション、ギャップ、ちょっと新聞を広げただけで、当たり前のようにカタカナ表記の外来語が溢れている。
しかし、ノーマライゼイションという言葉はひとしきり前のように、耳にしなくなった気がしている。
そして「開かれた施設」などという言葉も。
テレビ中継で放映されたように、障害者福祉施設等の社会福祉施設は、そのほとんどが山の中、最寄り駅からタクシーで50分などという立地がざらだ。
差別や偏見という隔たりをなくすという内面的な取り組みと共に、このような立地であるからこそ、地域に開かれた施設となることも大切なのだ。
福祉施設が、いわゆる僻地に立地することの大きな理由は、
土地の手当てが難しいことがある。
ざっくり言えば、運営主体は、県などの地方公共団体か社会福祉法人だ。
県などは、県の所有する土地を手当てするか、県が土地を購入する。
社会福祉法人の場合、あらかじめ土地はありきなのだ。
古くは、障害者を持つ親御さん達がそれぞれに、お金を出し合って、購入するなどだ。
いつか詳しく記すこととして、
永続性の観点から施設の土地や建物は基本財産として国に帰属するものとなり、
法人が解散した場合は、それらの土地建物は国の所有となる。抵当権をつけることもできないので、
土地を担保に民間の金融機関からお金を借りて土地を買うということはできないのだ。
こうした立地にある施設が人手不足になるというのは想像に難くないであろう。
一部報道では、今回の施設の夜間のアルバイト料金は時給950円と言われている。
都心の牛丼屋なら1300円だ。
精神的にも肉体的にも過酷な労働に、
いやけがさしたとしても、犯人のような
考え、あえて記さないけれど、
に至ったには、経済成長の時代から、
停滞、先細りの時代となり、
自らの将来への不安ばかりが募り、
社会全体が、ノーマライゼイションを少しなおざりにしてるということがないだろうか。
2 件のコメント:
自分の政治的主張を実現するために、社会的弱者を抹殺する行為は広い意味で「テロ」だと思います。
ちなみにノーマライゼーション(正常化)は、私が現在従事してる平和構築の現場では、武装解除、動員解除、社会統合をひっくるめて、Normalizationと言っています。
匿名さん
コメントありがとうございます。
今回の事件は、世界で連続して起こっているテロに、
影響された部分もあるのではとも言われています。
匿名さんの従事されている現場が、
容易にわかりかねますが、
武装解除もノーマライゼイションと教えていただきました。
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